第7話 快進撃

 次の朝、セイレーン第7迷宮に向かった。ゴブリンがいる迷宮だ。昨晩ゆっくり悩んで考えたが、とりあえず4週間の間の休日6日間の内、5日で全迷宮を1度ずつ周り、召喚獣のレベルをそれぞれ上げて、最後の休日は、5日間の結果を見て考えようと決めた。それで休みが無いと体が持たないので、まずは体力を高める為に第7迷宮で体力のきのみを大量GETし、高める事にした。


「はーい。冒険者学校の生徒は1階までしか潜れません。もし潜ったことがわかった場合、理由如何に問わず、成果から200体分マイナスさせていただきますのでご留意ください。入場料は、20ゴールドになります。注意してお入りください。」


 と、受付の方の説明を受け20ゴールドを渡した。奥に進み


「今日はっと、サモン…」


 5体を召喚し、


「ゴブ吉よろしく。」

「ウォー」


 と、ゴブ吉が次々とゴブリンを呼び出し、午前中一杯5時間倒しまくった。中でも、レベル100オーバーのウサ吉が異常に強く、片っ端から殲滅していった。


「おしまい。」


 その言葉に、ゴブ吉は“仲間を呼ぶ”をやめ、うし吉以外は、手を止めた。


ハーハーハー


 流石に、2日連続倒しまくりは疲れた。幾らうし吉が体力を回復させてくれても、芯の疲労は溜まっていく。


「一旦強化するか。ウインドゥ」


ポチポチ


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ノーマル 魔石レベル1 × 7312

レア 青銅1キロ× 7312

スーパーレア 火の魔石 レベル10 × 7312

サモン ゴブリン レベル1 × 7312

スキル 体力のきのみ 1粒× 7312

アイテム ゴブリン装備1体分× 7312

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 はっ、昨日より増えている。とりあえず、きのみを全部食べたるぞー。

 体力が113上がり、トータルで、ベースより120上がった。元々の約3倍。この異常なまでの体の軽さはなんなんだ。いくらでも戦えそうだ。次に、ゴブ吉に、ゴブリンを全て上げた。


 パッパラー


 レベルが上がったみたいだ、えーっとレベルは、


 ポチポチ


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角獣族 一角ウサギ レベル116

スライム族 スライム レベル15

家畜族 プチカウ レベル17

ゴブリン族 ゴブリン レベル122

死霊族 スケルトン レベル15

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 強い。多分僕の何倍も。頑張れ僕。負けるな僕。

この調子で、午後も5時間やった結果。体力は、トータル174アップ。


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ノーマル 魔石レベル1 × 15312

レア 青銅1キロ× 15312

スーパーレア 火の魔石 レベル10 × 15312

アイテム ゴブリン装備1体分× 15312

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召喚獣は、


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角獣族 一角ウサギ レベル117

スライム族 スライム レベル18

家畜族 プチカウ レベル19

ゴブリン族 ゴブリン レベル177

死霊族 スケルトン レベル17

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と、ゴブリン1体で、初級迷宮を攻略出来る位まで強くなった。全員戻して、宿舎に着くと、ロッシが待っていた。


「アレックス。」

「どうした、ロッシ。」

「道場で修行しながら先輩方に攻略法を聞いたところ、時間が勝負だから、走り探しながら進んでいくしかないとのことなんだ、俺は走り続けられるけどお前の装備だと辛いかもしれないが・・・。」

「大丈夫だ、鎧を外して盾と剣で何とかなる、第1階であればね。」

「そうか。じゃあ、頑張ろうぜ。」

「僕からも・・・。サモン 一角ウサギ」


 ボワン


「ウサ吉だ。」

「召喚獣・・・。お前サモンドロップを。」

「そう、戦わせないけど、あることを知ったんだ・・・。」

「あること?」

「そう、ピンチのこのミッションを一気に逆転する秘策だ。」


 そういって、僕はロッシに召喚獣の“仲間を呼ぶ”を教えた。僕が一角ウサギしか教えなかったのは確率的にありえないので、懸念を防ぐ為であり、一角ウサギの実力も隠すつもりだ。


「よし、これで俺たちは大逆転だ。」


翌日から、僕たちの快進撃が始まった。


「ロッシ、そっち」

「あいよ。アレックス次よろしく」

「ウサ吉、次」

「ウォーン」

「ありがとう。」


 そのやって、受付にいくと


「ロッシ・・・俺たちは51だぜ、50を超えてやった。お前らまだまだだろうけどな・・・。」

「370」

「は?」

「370体。今日の成果だよ」

「はー?」


 ザキウェルが固まっている間に、相手いる受付に行き


「ロッシさん、アレックスさんですね。カードを」

「「はい。」」

「ありがとうございます。えーっと370体ですね。お疲れ様でした。」

「「ありがとうございました。」」


そういって、宿舎に向かう途中、一瞬後ろを振り返ると、ザキウェルが地団駄踏んでいるのを眺め、そっと拳を合わせ


「やったな」

「だな」

「明日は、今日の様には行かないぞ」

「そうだな、でも走り抜くしかない。」

「だな」


そういって、もう一回静かに拳を合わせてから進んでいった。


 翌日以降ペースは下がったが、それでも、走り続け、


「よう、ザキウェル。昨日はまぐれで、今日はダメだったよ」

「はは、そうだろう、俺もそうだと思ったぜ、はははは。」

「そう、今日は86体」

「えっ」

「じゃぁ行こうぜアレックス」

「あぁロッシ」


 と、今日も静かに拳を合わせた。


6日目370体、7日目86体、8日目88体、9日目73体、10日目86体。5日間で703体。先週の155体を加えると858体。圧倒的2位に躍り出た。1位のスノー、アリアペアは2000体を超えたらしい。ある種ここまでズルしても勝てない圧倒的な存在だ。


「今週末はどうするんだ、遊びに行かないか?」

「えっ、ロッシ。遊びに?」

「息抜きだよ、近くの湖まで、女の子達と遊びに・・。」


 ロッシは完全に余裕って感じになってしまった。まぁ、今まで一生懸命やって来たのでたまの息抜きと、気にしなかったのがいけなかったのかもしれない。


「そうか、楽しんでこいよ。僕は1人で迷宮潜ってみるわ。」

「わかった、お前も真面目ちゃんだな・・・。月曜日にな。」


 そう言って僕らは別れていった。

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