第5話 ネクストアタック
「大丈夫か?目の下に隈が出来てるぞ。」
「あぁ、大丈夫。昨日興奮しちゃって寝れなくて・・。でも、今日はゴブリン相手だから、大丈夫だよ・・・。」
「そうか、油断するなよ。」
そう言ってロッシを誤魔化したが、僕は、昨日食堂では悩み通しだったが、部屋でも悩んで最終的に一睡も出来なかった。僕の今起きているドロップ三昧?をどう理解すれば良いのか分からないからだ。それから派生する様々なことは、僕を悩ましている。
「アレックス、ゴブリンって相手したことあるか?」
「あぁ、地元で野良ゴブリンをセドリックの兄貴についていって倒したことはあるよ。」
「セドリックさんか・・。俺達と違って帝都の騎士学院にストレートで入った天才だからな。それで倒したとしても、俺はセドリックさんの代わりにはなれないぜ。」
「わかっているよ。兄貴は、一瞬で数体切り倒してたし、そんな感じじゃなくても、ロッシなら一閃で倒せるよ。」
「そうかい。まぁ、第1階には、普通のゴブリンが単体でしか現れないからな。なんとかなるか。ガンガン倒しに行くぞ。」
「おう」
そう言って、眠さを抑え迷宮を進んでいくと、僕よりひと回り小さいゴブリンを見つけた。ゴブリンは、少し怯えつつ僕達に襲ってきた。
ガキーン
僕はゴブリンのタガーを、盾で受け止めた。次の瞬間、
ザクッ
ロッシが剣でゴブリンを切り裂いた。
ピコン
「うっしゃー。」
「なんとか倒せただろう。」
「俺の実力がすごいんだよ!この調子で行きたいな。」
「そうだな・・。」
一閃で倒し、テンションがMAXになっているロッシを横目に、僕は昨日の状況が継続しているかドキドキしていた。
「「ウインドゥ」」
2人で見合いながら、ウインドゥを開くと、やっぱりの状況だった。
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ノーマル 魔石レベル1
レア 青銅1キロ
スーパーレア 火の魔石 レベル10
サモン ゴブリン レベル1
スキル 体力のきのみ 1粒
アイテム ゴブリン装備1体分
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「ノー」
思わず声をあげてしまった。
「まだ、厨二病は治らないのか・・・。魔石だけで満足しておけよ。」
「おう。」
僕は戸惑いを隠しつつ、返事をした。その日は33体のゴブリンを倒したが、全て全ドロップを手に入れられた。
次の日も
「ウインドゥ」
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ノーマル 魔石レベル1
レア 忘れな草 100束
スーパーレア 土の魔石 レベル10
サモン プチカウ レベル1
スキル 腕力のきのみ 1粒
アイテム プチカウの肉1体分
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その次の日も
「ウインドゥ」
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ノーマル 魔石レベル1
レア 狂おし草100束
スーパーレア 水の魔石 レベル10
サモン スライム レベル1
スキル 魅力のきのみ 1粒
アイテム スライムの肉1体分
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そのまた次の日も
「ウインドゥ」
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ノーマル 魔石レベル1
レア アルミニウム1キロ
スーパーレア 闇の魔石 レベル10
サモン スケルトン レベル1
スキル 気力のきのみ 1粒
アイテム スケルトンの装備一体分
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と変わらなかった、討伐数は、初日26体、2日目33体、3日目32体、4日目31体、5日目33体で合計155体。ノルマから100体近く足りなくなっている。僕達の実力では、すぐにランクEになるのは難しいのはわかっているが、とても悔しい。宿舎に帰ると、早々に全パーティーの1週目の結果が張り出されていた。トップのスノー、アリアペアは、5日で800体を超えており832体、2位で230体。僕達は丁度真ん中の順位で、ザキウェル、リーマンペアは154体と僕達を1体下回っている感じだ。
「ロッシ、結構厳しい状況だから、遊んでられないけど、明日、明後日の休みどうする?」
ロッシは、想定より順位が悪かったと思ったんだろう、声を震わせながら
「俺は一から自分を鍛え直そうと思う。道場で稽古に励むつもりだ。一緒に来ないか?」
昔から、ロッシは、困ると修行に逃げる癖がある。頑張っているからどうにかなるんだと思うんだ。僕はいつも脳筋状態と呼んでいるが、そんな時は僕が何か考えないといけない。
「そうか、僕は1人で迷宮に潜ってみるつもりだ。成果にはならないし、評価もされないけど、何か攻略法が見つかるかもしれない。」
「ガンバレよ。」
昔から、ロッシは、脳筋状態の時は何を聞いてもダメだ。
「じゃあな。」
「じゃあ。」
こうして、2人で別れた。
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