第3話 僕っておかしい?
僕は混乱しつつも、息を整えて冷静さを保ちつつ、ゆっくりと慎重に通路を進んでいった。冷静さを失えば命の危険を招く事になる、ゆっくりゆっくり5分程歩くと、また一角ウサギが現れた。
ドーン。グサッ。ピコン。
ロッシとのコンビネーションであっさりと倒した。今回は、初回程の興奮は無いが、自分を安心させたい一心で、
「ウインドゥ」
と速攻叫んでいた。
「おいおい、アレックス。さっき肉をゲットして興奮していたのはわかるけど、2度も続けて出るわけないじゃん・・・。」
とロッシが言っていたが、僕の目の前には、再び異様な表示が見えていた。
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ノーマル 魔石レベル1
レア 銅1キロ
スーパーレア 風の魔石 レベル10
サモン 一角ウサギ レベル1
スキル 素早さのきのみ 1粒
アイテム 一角ウサギの肉1体分
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うそ!全てのドロップをGETした。
「だよねー。僕もそんな事ないのはわかっているけど、やっぱり自分には凄い運がとか思っちゃうじゃん。」
「わかるよ、所謂厨二病ってやつだろ。S ランク冒険者クランファットマンブラザーズの賢者ライトさんが提唱した、英雄症候群の一つで、下級冒険者が死ぬ理由の一位と言われているやつだろ。気を付けろよ。」
「わかったよ。ありがとうな。」
「いやいや。」
「そろそろ慣れてきたし、ペースを上げていくか。安心しろ、今日は毎回ドロップ品のチェックをして良いならな。」
「そうだな、ありがとう」
ロッシの笑顔に少し申し訳ない気持ちを持ったが、それから僕らは、ペースを上げていった。
ドーン。グサッ。ピコン。
「ウインドゥ」
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ノーマル 魔石レベル1
レア 銅1キロ
スーパーレア 風の魔石 レベル10
サモン 一角ウサギ レベル1
スキル 素早さのきのみ 1粒
アイテム 一角ウサギの肉1体分
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ドーン。グサッ。ピコン。
「ウインドゥ」
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ノーマル 魔石レベル1
レア 銅1キロ
スーパーレア 風の魔石 レベル10
サモン 一角ウサギ レベル1
スキル 素早さのきのみ 1粒
アイテム 一角ウサギの肉1体分
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ドーン。グサッ。ピコン。
「ウインドゥ」
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ノーマル 魔石レベル1
レア 銅1キロ
スーパーレア 風の魔石 レベル10
サモン 一角ウサギ レベル1
スキル 素早さのきのみ 1粒
アイテム 一角ウサギの肉1体分
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ドーンドーンドーンドーン・・・・
「そろそろ引き上げるか。」
「そうだな、22体、本当は20日で1000体を倒さないといけないから、1日50体のノルマに届かないけど、初日は時間も短いししょうがないか。」
「だな、俺たちより少ない奴らの方が多いだろうしな。」
「じゃあ、出口に向かうか。」
広大な迷宮の入口は一つしかないので、そこに向かって2人で駆け出していった。途中4体の一角ウサギを倒し計26体。初日の成果としてはまずまずだった。
「おー、ロッシ、アレックスペアおかえりか。」
出口を出たところで、受付で並んでいる2人の同級生が睨んできた。
「よ、ザキウェル、リーマン。どうだった?」
「どう?俺たちは25体だ。すげーだろ。」
喧嘩腰の、ロッシに、筋骨隆々のザキウェルが凄んでいる。ロッシと、ザキウェルは共にファイターで、実技の授業で、凌ぎを削っていた中。共に騎士爵家の子弟でもあり、対抗心は極めて高い。才能は、しかも共にとび抜けたものがない者同士だけに、細かい意地の張り合いがすごい。リーマンは、僕と同じ盾役のナイトだが、太っちょで、捌きは僕の方が上だが、受け止める力は彼の方があり、それぞれ特性を認め合い、アドバイスしあって仲良くやっている。
「凄い凄い。俺たちは26体だけどな・・・。」
「ハーン。まぁ今日は俺達の方が早く出てきたからな。」
いつもの様に掴み合いになりそうになったので、
「「まぁまぁまぁ」」
僕とリーマンは、いつものように間に入り、
「とりあえず、順番回ってきたから手続きをしよう。」
「でもよ、リーマン」
「手続き。」
「ぐぐぐ。」
リーマンは、なんとかザキウェル。宥め報告をさせた。僕達を睨みながら行ってしまうと、僕達の番が来た。
「ロッシ、アレックス班戻りました。」
「はい、カードを出して。」
ロッシが、受付の女性に言うと、カードを出す様言われた。カードは、迷宮探査の入宮時に受け取るもので、パーティーでの討伐モンスターが記録される。
「はい、一角ウサギ26体ね。間違いないかしら。」
「はい。そのはずです。」
「ではそう記録しておくわね。カードは預かるわね。お疲れ様。帰って良いわよ。」
「「ありがとうございました。」」
挨拶をすると、僕等は宿舎に戻って行った。
今日倒したのは、26体、全てノーマル、レア、スーパーレア、サモン、スキル、アイテムを手に入れた。『はふー。どうなってるんだ。僕は何か変なのか。』と今の事実をなんとか受け入れようと必死な中。
「初めてのダンジョンアタックとしては上々かな?」
「そうだなロッシ、あははは」
僕は気楽なロッシな羨ましいとこれまで、これ程思ったことは無かった。僕っておかしいのかな?
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