養生事始

 腹巻をしただけでこんなにも世界は暖かいなんて。感動ものである。


 しかもお腹を温めると、自然と足の指先まで冷えない。


 そういえばあれは9年前の中国でのこと。わたしは上海で交換留学生をしていた。冬になると中国人たちは老いも若きもかなり着込み出す。分厚い靴下から服の重ね着まで、着膨れなどお構いなしにパンパンに。上海は愛知とほぼ同じ気候なので、わたしからするとこの気温でここまでするのかと印象的だった。


 あれから中国にも徐々に韓国のファッションが流れてきて、極寒地も対応可能とするような中国人の着膨れ文化は薄れていった。すっぴんで髪を一つにまとめ、前髪もピンであげ、素材命すぎる酷な環境(?)だった中国人の若い女の子たちはメイクもするようになっていった。


 やはりあの見た目のスマートさ度外視の格好にもそれなりに意味があったのだった。


 今のコロナ後遺症はあまり有効な治療法はない。またわたしの場合は強い倦怠感と頭痛があるので、運動があまりできない。運動を無理にするとかえって悪くなり、最悪寝たきりになったりすることもあるそうだ。


 また、コロナ後遺症は医者からも常に微妙な反応されることがある。数値的な問題は出ないので判定できないから、言われたところで困るのだ。


 前に粉瘤ふんりゅうという皮膚の良性のおできができた時に、一応皮膚がんや他の感染症などの可能性もあるかもしれなかったので、経緯を説明するために11月からの体の経過を告げたところ、

「うちはコロナ後遺症は専門外なので…」

と言われた。今回はコロナ後遺症で受診しているわけでは元々なかったので、別に良いのだが、避けられてるなあ…というのはなんとなく感じた。


 その他、内科の女医の先生からは彼氏が最近いるのか?とも聞かれ、暗に妊娠も疑われたことも。


 コロナ後遺症はNHKでも取り上げられるほど広く知られた存在だが、実生活での扱われ方は眉唾物である。


 治療法もない、医者にも聞いてもらえない、当然診断書も書いてもらえない。診断書がないから上にも聞いてもらえない。体は辛くても3時間半通勤しないといけない。


 こうなるともう自分でどうにかしなくなる。養生の始まりである。


 しかしここで一つ注意せねばならないことがある。ネットにはいろんな情報が氾濫している。シリカ水、ツボ押し、DHA、アロマ。確かに悪くはないだろうが、記事などは『これをやっておけば大丈夫!』とでも受け取れるような怪しさがあるものもある。


 そして突き詰めて調べればおそらく占い、スピリチュアル、宗教ぐらい行き尽くことは容易に想像できる。


 一つのものに傾倒して、他のことを取り入れずに思考を遮断することは危険だ。普段なら大丈夫でも、体が弱って、不定愁訴状態に陥ると判断が鈍る可能性が高くなるように感じる。


 自分が心地よく過ごせるように。そう考えて当たり前のことを意識しようと思った。


1 何か一つだけに絞ることなく、バランスよくご飯を食べる

2 よく寝る

3 散歩など動ける範囲で体を動かす


 これらを基本とした上で、何かプラスアルファの良い養生方法があればシェアしようかなあと思う。できれば出典も載せて。


 そんな感じでゆるく探究していきます。

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