第5話

乾いた音とともに扉が閉まる

永遠に開かないかもしれない扉が

だけど最後に君は笑った

ガラス越しに

またねって手を振って

寂しそうな名残惜しそうな

顔をして


去っていくエンジン音

冷えた風が僕の体を叩きつける

アスファルトに視線をやりながら

ひとり呟く


まだ君といたかった。

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