第5話

 ユミのウタ(詩)


Part1.みんなのユミ


 ユミはハナとハル、イルナムとタロの愛情をもらってすくすく成長した。しかし、ユミが物心つく頃にはイルナムとタロ、この二人の祖父たちが犬猿の仲である事に気が付くのであった。

 ユミは定期的にイルナムのテクォンド道場とタロの空手道場へ遊びに行った。それはこの両おじいさん達にとってとても嬉しい事であった。そして、この二人はユミを自分の道場の後継者にしようと密かに決心していた。

ユミもイルナムとタロが大好きであった為、

テクォンドと空手を学ぶ事が好きであった。

しかし、ユミがイルナムの道場へ行った時、

タロや空手の話しをするとイルナムはいつも

話しをそらしたり


 あれはマーシャルアーツというより、唯の我慢比べだよ。あんなの真剣にやったら頭が硬くなってしまうよ と言うのであった。

 

 それで今度はタロにイルナムから言われた事を言うと、今度はタロが


 あいつの言う事は何一つ信じちゃダメだ。

回し蹴りをしすぎて頭がクルクル回ってるからな。 と言うのであった。こうなると、 さすがの子供にもこの二人の仲がただならない事に気がつくのである。


 ユミはある夜、食事の時、ハナとハルになんでこの二人の仲はこんなに悪いのかについてそしたら、ハナは

 

 気にしなくていいよ、この世界には知らなくてもいい事はたくさんあるし、あの二人の仲がまさにその一つなの と言い、ハルは会話には気も触れず、黙々と食事を続けるのであった。ユミはそうは言われたものの、この二人の祖父の仲がよくなってほしいと心底思うのであった。一方、ハナとハルはユミが体を

動かす事が大好きな子供になって、やがて大学ではスポーツ経営を学び、自分達の事業を継いでほしいと密かに願っていた。



 


 

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