第4話
「う~ん」
朝起きて、伸びをする。
今日は仕事をしよう。そんなにのんびりもしていられない。日銭を稼がないと。
俺には目的がある。ちょっと高いアイテムが欲しい。それがあれば、俺のスキルは化けるかもしれない。その為に貯金しているんだ。
何時もの時間に、何時もの場所に。今日は仕事があるといいな。
ここで、声をかけられた。
「ウォーカー……。三人のパーティーに加わらなかったか?」
たまに組む人たちだ。なんだろう?
「二日前に組みましたけど? 女性一人に、護衛二人でした」
「その三人なんだが、
「え~と……。皆休み?」
「街周辺の雑魚狩りに行った。縄張り争いはないと思いたいが、過剰人員と言える。もう魔物は狩り尽くされているんじゃないか?」
……本当に迷惑な人たちだな。
俺は、スキルを使った。目をつぶる……。
『リーダーは、リナリーだったよな。現状を知りたい』
パーティー名:リナリーのパーティー(仮)
HP:46/212
MP:101/301
STR:30/111
DEX:45/150
VIT:80/98
AGI:10/200
INT:111/501
MND:93/493
CHR:802/809
まだ、生きてはいるな。
とにかく急いで、
「どの辺にいるか分かるか?」
「……大分深く潜っていますね。それと、動けない状態みたいです。衰弱していますが……、生きています」
数値から、護衛の二人も生存していると判断できる。
雑魚を任せながら、俺は一直線に進んだ。
◇
「ボス部屋かよ……」
「ここにいるのか?」
「はい。この扉の先ですね」
このボス部屋は、突然ポップしたのだと思う。トラップに引っかかったんだな。
さて、どうするか。
護衛たちが、扉を開こうとするけど、開かない。
ボスを倒すか、踏み込んだ冒険者が全滅しないと開かないんだろう。
「どうするか……。まあ、手段を選んでいる時間はないよな」
俺は、スキルを使った。
『リナリーパーティーとの
次の瞬間に、全員が転移した。
「「「何が起きた?」」」
「ボス部屋へ転移しました。説明は後で。防衛体制を!」
俺の言葉に、護衛たちが従ってくれる。円陣を組んでくれた。
俺は、壁まで下がる。
『リナリーさんは……、何処だ?』
周囲を見渡す……。いた……。
駆けつけると、三人が毒に侵されていた。でも意識はあるな。
俺は……、魔法を使った。〈解毒〉の魔法だ。
「……ごほごほ。ウォーカー君?」
ギリギリ間に合ったかな。とりあえず、命はある。
護衛の二人も起き上がった。この分だと大丈夫だな。
そうなると……。
「話は後で。ボスの特徴を教えてください」
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