衣服を剥いて確かめなければいけない所だった

 みなさんこんにちは、長谷川理玖です。入力時に「玖」の文字が見つからなくて、三分くらい探したのはナイショな!


 どこまで話したっけ。そうだね、雪兎くんが小さい頃に女装してた所までだったね。オレも、まだよく理解出来てないんだけど…。

 雪兎くんが生まれる前に、三人のお兄さんがいたのはすでに説明したよね。母親の沙都子さん的には、そろそろ女の子が欲しかったみたい。四人目を出産する時に、次こそは女の子だろうと…。これだけ、男の子が続いたのだから。そう信じ切って、女の子の服とかオモチャ買いまくったらしいよ。

 うん、ガチャで破滅するタイプだな。そんなもん、数学苦手なオレにだって分かるよ。次も、2分の1の確率で男の子が生まれて来るに決まっているでしょう?沙都子さんもいい大学出てたらしいけど、この家見てると偏差値と頭の良さが比例しないって事を痛感する。

 そうして生まれてきたのが、やはりと言うか男の子であった。うん、知ってた!沙都子さんは一瞬だけ落胆したけど、すぐに思い直した。せっかく買った女の子の服を、もったいないってんで雪兎くんに与えて…。それが結構似合っていたので、次から次へと新しい服を買って着せ替え人形にしていたらしい。うん。ご子息がホモになったの、多分あんたのせいだからな?遠い昔、自分の弟にも同じ事をして(着せ替え人形にして)遊んでいたらしいよ…。

 オレと雪兎くんが会っていたとしたら、ちょうどその時かぁ。遠い昔なので、そんな女の子がいたって記憶も薄れているけど…。そう言えば、そんな子がいたような。そして、オレの初恋の人だったような…?オレもオレで、どう転んでも男と結ばれる運命だったぽい。

 まぁ、気を取り直して行こうか。また月を跨いで、10月になった。今日は、スポーツの日とか何とかで学校の体育祭だよ。どうでもいいけどほんのちょっと前まで、呼び名は「体育の日」だったよね。

 オレはまぁ、野球部所属してるくらいだし…。走るのってか、運動全般は得意。全員参加の100m走でも、当然ながら1着になったよ。ふと見れば、雪兎くんがメスの顔をして応援してくれていた。超嬉しい♡

 ちなみにその、雪兎くんの100m走だけど…。うん、体育が苦手ってのは聞いてた。けどこれ、オレが歩いた方が早いんじゃないかな。オタクゆえの体力の無さに加えて、お手本のような女の子走りだ。いや、見てる分には可愛らしいんだけど。

 身体の弱い子なのかと勘違いされて、完走した際には父兄席から拍手が沸き起こるレベルだ。父兄席と言えば、三男の楓さんが若パパよろしく雪兎くんの勇姿を撮影していたよ。うん。後で、その動画ください。

 ちなみに、トオイの100m走はどうだったかって?予想しないでは、なかったんだけど…。清々しいほどの、女の子走りだったよ。そうかそうか。つまり君も、そう言う奴だったんだな。多分、モブ子のどっちかが走った方が速かったんじゃないかと思う。

 お昼に弁当を食って(沙都子さんとトオイの手作りだよ♡)、オレはもう一度走る機会があった。いわゆる一つの、部活動対抗リレーね。部活の日でもないのに、野球ユニフォーム着せられて走るとか…。面倒くせぇったら、ありゃしない。まぁ、海パン一丁で陸上を走らされる水泳部のが、もっと気の毒なんだが。

 ちなみに同好会ゆえ参加はないが、BL同好会の場合はどうだったんだろうね?推しキャラのコスプレして、走るとか?

 どうでもいいや。オレはアンカーだったけど、ここでも自前の脚力を生かして一着を目前にした…。んだけど、ゴール前で一つの関門があった。いわゆる一つの、借り物競走だな。競技に運要素入れないと、例えば茶道部とか不利で仕方ないからねぇ…。

 BLに限らず、恋愛ものならここで「好きな人」を引くパターンじゃない?実際に、中高の運動会でそんな借り物のお題を出す所があるのかね。作者の学生時代は、借り物競走そのものが無かった気がするぞ。gdgdになって、競技が長引くのが目に見えてるからでしょう。

 まぁいいや。ここでもし「好きな人」を引いて、雪兎くんと一緒にゴールするとか…。想像するだけで、色々と滾る。学校全体に、二人の仲を知らしめたみたいなもんだからね。オレ、この競技が終わったら雪兎くんに告白するんだ…。

 よっしゃ、ここは自分の運を信じて「好きな人」引くぞ!ほいさっと!


 『エロぼくろ』


 うん。まぁ、雪兎くんっちゃ雪兎くんなんだけど。なんだよ、このふざけたお題。女将を出せ!このお題を考えたのは、誰だぁっ!

 ってかエロぼくろの判定って、どこからどこまでだよ?作者は、口元限定だと思ってたけど…。身体の一部についてても、エロく見えればそれはそれでエロぼくろって言うらしいね。もし雪兎くんの口元にほくろが無ければ、危うく全校生徒の前で衣服を剥いて確かめなければいけない所だった。

 その他、「八重歯」「黒髪」「腐男子」あたりでも成立するのか…。要素多いよな、今更だけど。

 まぁいいや。何だかんだ雪兎くんの手を引いて、二人でゴールするのは最高の気分だった!お題を知らない奴らには、それこそ「好きな人」に見えてたかもね。モブ子を始め、腐女子と思われる観客たちがめちゃくちゃ嬉しそうな声を出してたよ…。


 ちょっと中途半端だけど、字数がかさんだので今回はこれくらいで。次回、「雪兎くんと体育倉庫に閉じ込められる」。お楽しみに!

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