ゆうべはお楽しみでしたね

 みなさんこんにちは。8月をもってアップデートされた、長谷川理玖ver2.01だよ。いやぁ、マジで世界が変わって見えるもんだね。相変わらず、野球部でソリの合わない奴らもいるけど…。何言われても、「DTの戯れ言だしなぁ」で済ませられる感じ。心に、余裕が出来ましたって言うかね。


 さて、ビジホでの初体験の後を少々補足するね。結局何R行ったのかは、ヒミツ♡後半になるにつれて、だんだんと雪兎くんの人間性が失われていった事だけお伝えしとく。

 さて、オレ的には超満足だったけど…。雪兎くん、しばらく足腰立たなかったんだよね。とてもじゃないけど、長蛇の列並んでコミケに参戦出来る状態ではない。結局ビジホに無理言って、チェックアウト後もしばらく雪兎くんだけ休ませてもらえる事となった。「連れの体調が悪くなって…」くらいにボカして説明したけど、ビジホの人たちの「ゆうべはお楽しみでしたね」って表情が凄かった。向こうも、その道のプロでらっしゃいますからね…。

 オレだけ会場行って依頼されてた本だけ買って、モブ子らに挨拶して帰ったよ。二人の「ゆうべはお楽しみでしたね」って表情が凄かった。何で分かるんだ、こいつら…。

 お昼前にやっと雪兎くんが動けるようになったけど、まぁとても東京観光出来る状態じゃない。何とかかんとか新幹線で群馬には帰って、駅からは沙都子さんに車で迎えに来てもらった。「ゆうべは(ry)」。息子の処女が喪失したってのに、めちゃくちゃ嬉しそうでしたよ。大丈夫か、この母親。

 さて、その時のリベンジって訳でもないけど…。仲間うちで集まって、久々に遊びに来たよ。すでに9月になって新学期が始まって、しばらくは経ってる。またオレの練習やら試合で忙しくて、会う機会がなかったんだ。あれ以来、雪兎くんとはそう言う機会があったかって?さてねぇ…だいぶ、開発は進んでるんじゃないですか?

 メンバーは、雪兎くんとモブ子二人。それに、トオイが咥わった…。もとい、加わったよ。カラオケで、「スクリューボール・コメディ」のコラボキャンペーンが行われるんだってさ。半数以上は野郎だってのに、何だこの女子会ぽさは。

 集合場所は、ま○き○こ高崎駅西口2号店。経営母体は、株式会社コ○ダカホールディングス(証券コード:2○57)。カラオケ店舗の居抜きをメインに、急成長を遂げたとか…。雪兎くんと付き合ってたら、企業や会社の知識が否応なしに身についてくるなぁ。

 持ち込みOKのカラオケなんで、トオイが作ってきたマリトッツォをご馳走になる事にしたよ。マリトッツォって、手作り出来る物なんだ…。集まったメンバーの中で、多分こいつが一番女子力高いと思う。

 「飲み物は、コラボドリンクにしようよ。りっくんは、白いピノ君汁がいいかな?」

 「言い方よ」

 キャラクターイメージの白をメインに据えた、ノンアルコールドリンクだとさ。正直、こんなもんでクソ高い料金取るなと思わなくはないけど…。ランダムでオリジナルのコースターやマドラーが付いてくるので、オタク的には費用対効果が合っているのか…?

 「あぁあぁ、豪くんの棒(マドラー)で混ぜた飲み物…」

 「言い方よ」

 カラオケなので、当然ながら歌も歌ったよ。期間限定で、アニメ映像が流れるんだとか何とか。オレと雪兎くんは、豪ピノのキャラソンをデュエットしたよ。雪兎くんの歌う姿初めて見たけど、一生懸命な感じが可愛いなぁ♡それに、知らなかったけど歌上手いなぁ。さすが、声優を最強壮馬さんが担当しているだけあるわ。

 トオイはアニメを見ていないので、何かマイナーな洋楽とか入れてた。曲は知らんけど、これまたクッソ上手いな!将来的に、音楽配信を目指しているのだそうで…。

 ところでこの場にモブ子らがいなければ、いわゆるカラオケフェラをお楽しみ出来たのでは?って、まぁいいか。今日くらいは、そう言うの。久しぶりの、エロなし回だしね。

 カラオケが終わって、モブ子二人は塾に行くって事でお別れした。こいつらは、腐っても受験生だしね。そもそもコラボカラオケとか、行ってる暇あるんですか…?だけど何だか、気を使って別れて頂いた感が半端ないな。

 実際に雪兎くんとトオイに挟まれて歩いていたら、両手に華って言葉がこれ以上ないくらい相応しい。いやだから、こいつら両方とも野郎なんだってばさ!

 敬老の日が近づいているので、それぞれの祖父母にプレゼントを贈るための買い物に付き合ったよ。敬老の日かぁ。オレは小さい頃に爺ちゃんも婆ちゃんも亡くなっちゃったので、ご無沙汰のイベントだなぁ…。

 今年は、どう言う巡り合わせかご老人に縁があった。接骨院の爺さんにもお世話になったので、トオイを通してオレからもプレゼントを渡しといてもらおう。またまた野球部の試合が控えているので、当日手渡し出来そうにはないんだ。

 晩ごはんの支度があるので、トオイとも別れて雪兎くんと二人きり。ここまで来たら、何だか仕込みくせぇな。まぁいいや。

 雪兎くんにも、敬老の日のプレゼントを預けておく事となった。今更だけど、介護用ベッドのご婦人はやっぱり雪兎くんのお婆ちゃんだったって。お元気そうに見えるけど、どうもあまり長くはないみたい…。

 「うちは個人病院で設備がないから、市内の大学病院への転院を検討したけど…。最後は、うちで過ごしていたいって」

 そりゃまぁ、雪兎くんの家はあの通りの大豪邸だしね。それに、医者じゃない人間の方が少ないと言う特殊な家庭環境だから…。下手な病院に入院するよりは、安全じゃないかと思う。話を聞いているうちに、オレ自身の婆ちゃんの事を思い出してしまった。

 「オレの婆ちゃんも、最初は雪兎くん家の病院にいたんだよな。設備がないからって、結局は大学病院に…。本人は、ずっと伊勢嶋医院にいたかったみたい」

 何気なくそう言うと、雪兎くんは目を見開いて(可愛い)食いついてきた。

 「まさかとは思うけど、樽見さんのお婆ちゃん?苗字違うから、分かんなかったや。だけど、前々からもしかしてと思ってた…。俺、小さい頃は病棟に入り浸ってたから。樽見さんには、とても可愛がってもらった。多分だけど、その時りっくんにも会っている…」

 何と。蛍さんに限らず、雪兎くんとまでも幼い頃に会っていたとは…?運命が複雑に絡み合うとは、まさにこの事か。いや、蛍さんと会っていたかどうかは不確かなんだけど。

 「そうなんだ。オレ、昔は日焼けしてなかったし地毛の茶髪だったし…。雪兎くんが思い出せなくても、無理はないかもね。だけどオレの方も、雪兎くんみたいな男の子と会っていた記憶はないんだけど…?」


 「そうだろうね。俺、昔は女の子の恰好をさせられていたから」

 「ごめん、言っている意味がよく分からない」

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