世迷鳥-3

鳥はたくさんの出会いを重ねました。


その分たくさんの別れを経験しました。


なぜでしょう。


とても悲しんでいます。


でも、涙は出てきません。


一羽と出会って、別れを告げて。


そしてまた出会うのです。


ある日一羽の鳥は、何かを考え始めます。


なぜ僕は、飛んでいるのだろう。


ついに彼は疑問を持ちました。


でも、どうして疑問に思ったのでしょうか。


旅を続けても何もわからなかったのです。


なぜわからなかったのでしょうか?


それもわかりません。


それがわかるなら、きっとすでに何かをわかっているはずです。


でも、何もわからないことがわかりました。


きっとここからが始まりなのです。


何故止まらずに飛んだのか。


どうして今も飛び続けているのか。


風に煽られ木に留まり。


出会いと別れを繰り返す。


眠りについては夢を見て。


夜が明ければ旅に出る。


大丈夫、きっといつかいいことが起きます。


どんなに悪い夢でも、太陽が昇り陽が刺せば。


彼は起きることができるのです。


そして、悪い夢から覚める頃には。


明るい未来が待っていることでしょう。


今日も彼は飛び続けます。


明るい未来を信じ続けながら……

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