世迷鳥-2

ある日一羽の鳥が、何かを見つけました。


一体なんでしょうか。


きっとそれは、大切な何か。


でもそれは、いつか失うもの。


そう考えると、手にしなければよかったと感じます。


でもなぜでしょう。


失ったはずなのに、何かは残っているのです。


これは何でしょうか。


鳥にはまだわかりません。


きっとこの旅は、何かを求めるだけではないのかもしれません。


失ったものが大きすぎて、何が残っているのかわからなかったのでしょう。


いつ気づくのでしょうか。


きっとそれは、遠くない未来。


諦めなければきっと……


飛ぶことをやめなければ、きっと風に乗ることができます。


風が押してくれます。


引いてくれます。


でもそれはとても難しいこと。


とても辛いこと。


風がいつ吹くかなんて、誰にもわかりません。


風が吹いたことに気付けるのかさえ、わからないのです。


しかし、飛び続けることだけが、今の彼に唯一残された道標なのでしょう。


どんなに不恰好でも、醜くても。


きっと彼には必要だったのです。


悩み、苦しみ、踠きながら。


今日も、明日も……


彼はずっと、飛び続けるのです。

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