第6話
SIDE・森の安全確認に来た冒険者たち
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Dランクパーティの報告により俺達は件の森に急いだ。
彼等の報告に偽りがなければ、この森の奥にワイバーンの死体があるはずだ。
「しかし…ワイバーンだぞ?しかも、そいつの頭が突然に破裂した?そんな世迷言なんて信じられるか?」
同じパーティに所属しているニックが話しかけてくる。
ヤツはこの報告を最初から疑問視していた。
「何かの見間違いって事もあるだろうが、ワイバーンって事だからな…。一応は確認しておかないと…。仮に一匹だけなら良いが、群れだったら大変な事になりかねないからな…」
まあ、一匹だけでも襲ってくれば町は大損害を被るだろう。
それだけの強敵が突然、訳も分からない事で死ぬなんてあり得るだろうか?
俺自身も信じられない事だが、町の安全の為にも真相を見極める事は必要だ。
「大コウモリ辺りに襲われて、パニくっただけじゃねぇのか?」
「しかしなぁ、報告したパーティはDランクだが、ギルドの評価じゃ信頼のおけるヤツらって事だぞ?」
「だが、所詮はDランクだぜ?油断して逃げ出したってところが真相じゃねぇのかなぁ?」
「それなら、笑い話で済むんだがな…。報告通りにワイバーンなら大事だぞ?」
そんな事を言い合いながら、俺達は現場に急いだ。
半日掛けて到着した現場には、報告通りにワイバーンの死体が転がったいた。
「オイオイ、こいつぁマジもんだぜ!」
ニックがワイバーンの死体に走り寄る。
俺は他の冒険者たちに周囲の警戒をさせ、ニックと一緒に死体の検分に当たった。
Dランクの報告通りワイバーンの頭には風穴が開いていた。
他に傷らしい傷は無い。
「という事は、一撃で頭を吹き飛ばしたって事か…」
俺がそう呟くとニックはワイバーンの死体を眺めて言う。
「魔法を使ったって事か?」
「ああ、そういう事だろうな…。しかし、誰がコイツを
「ワイバーンを一撃だぜ?そんな事が出来るヤツぁ例の『勇者さま』のパーティしかいないだろう?」
「しかし、アイツ等はこの国には居ないはずだが…?」
「じゃあ、誰がワイバーンを
「さぁな…そんな事分かる訳ないだろう?」
「だよなぁ~。ま、真相はどうであれ、俺等が調べる事じゃないか…」
「そうだな。今はこの死体をギルドに運ぶのと、他にワイバーンが居ないかを確認する事が俺達の仕事だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます