第18話

───柊に友達になってくれと言われ僕はそれを承諾した。ま

ずはメールアドレスを交換することにした。変な意味で言うわけじゃないが僕は高校生で柊は中学生だ。なんだか変な感じがしてしょうがない。自分の携帯を取りだし開く。「赤外線は携帯についてる?」「は、はい…」柊も携帯を取り出す。柊の持っている携帯はピンク色、上にスライドさせるとキーボードが表れるタイプだった。僕の偏見だが女の子はなんでこの形のタイプを使うのが好きなんだろうか?黒羽もこのスライド式の物だけど、クラスにいる大半の女子もこのタイプだった気がする。画面を保護するものがないのに

よく壊れないのだろうか?僕と柊は赤外線でアドレスを交換し終わる。「これで

大丈夫」「ありがとうございます…」柊は微かに笑っていた。「あっ、あの帰っ

てからメールしても…、いいですか…?」柊は僕を恐る恐る上目遣いで見る。「

いいよ」別に断る理由もない。「柊、敬語は使わなくていいよ。辛いだろ」「で

も…」「僕はある程度なら気にしない質なんだ。それに友達に敬語は可笑しいだ

ろ」「うん…、結城さんがそういうなら…」柊ははにかむように笑いそう言った

。──ベッドの脇においた携帯が振動する。どうやらメールの着信だ。携帯を開

く。送り主は柊。内容は『結城さんって食べ物は何が好きなの?』だった。それをみて僕は口の中から何か出るんじゃないかと思うようなため息をつく。別に嫌じゃないのだけど問題は別にある。メールが送られてくるペースが速いのだ。一回、送信するごとに大体、三分くらいで戻ってくる。早い時は二分くらいだ。中学生の女の子ってこんなにメールを打つのが速いのか?毎分毎分、携帯のバイブレータが震えているような気がしてくる。しかし、黒羽でもここまでメールの量は多くない。大体、一週間に四、五回だ。一度、な

んでそんなに少ないのか気になり聞いたことがあったがいつものように毒を吐か

れて終わった。ちょっとだけ心が痛んだのを覚えている。過去の感傷はここだけ

にしよう。携帯のボタンの電話張を選択し柊にメールを返信する。携帯のボタン

って押しにくいから嫌いなんだけどな…。返信を終え、携帯を閉じる。多分、一

、二分で返信がくるだろう。このエンドレスなメールはいつまで続くのか?僕は

頭の片隅に考えを置き瞼を閉じた。

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