無題の詩


咎人が囚われしは

夜よりも暗く深い闇に閉ざされた

黒き茨の牢獄

神が咎人に与えし罰

それは死よりも重い永遠の断罪

赦しを乞う咎人の叫びは神に届かず

闇の中へ虚しく消えていく

それでも咎人は叫び続ける

例え茨で傷付いた手から

深紅の血が流れても

例え喉が潰れ声を失ったとしても

心が闇に飲み込まれるその前に

救いの光が齎される事を信じて…



静寂に包まれし夜天に輝くは

鏡を思わせる白銀の望月

刃の如き月光が切り裂くは

心惑わす深き宵闇

儚き送り火に誘われ

桜舞う三途に訪れし迷い人よ

黄泉へ通ずる川を渡りし時は心せよ

望月は汝を導く標なり

宵闇は汝を惑わす幻なり

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