カゲロウ

むかしむかし、あるところに『狼』がいました。

『狼』は時折近くの町を訪れますが普通の人の目には『狼』の姿が見えない為、すれ違ってもその存在に気づく人は誰もいませんでした。


そんなある日、『狼』は一人の少女に頼み事をされました。

突然の事に驚きはしたたもの『狼』は引き受け、その日の内に頼み事を終わらせました。


それから数ヶ月後、町外れの荒地が美しい花畑にその姿を変えていました。

花畑を見た少女は喜び、『狼』に礼を言うと静かに姿を消しました。

少女は幽霊だったのです。

『狼』は少女を見送った後、花畑の前から立ち去りました。


もしあなたの目に『狼』の姿が写ったとしたら、あなたも少女と同じ、幽霊かもしれませんよ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る