第7話 悪の根源

それから蒼は、勉強に真剣に励む様になった。


突然! どうしたの? と聞くと……


「小春に、見合う男になりたいから!

俺! 頑張る!!!」


そう言って、勉強に励むので


私は、応援した。


今のままでも、十分! 大好きなのに……


私の為に頑張る! 蒼は、もっと好き!!!


などと思いながら数週間が過ぎると……


蒼は、メキメキと成績を伸ばしていった。


元々、賢い人が頑張ったのだ!


当たり前の結果だと思っていたら……


再生エネルギーの研究!


その論文が、評価され。


大学でも蒼が、有名になって来てしまった。


まて、まて!!! このままでは、蒼のカッコ良さが皆んなにバレてしまう!!!


どうにかしなくては、と焦る私……


まだまだ! 先生やガリ勉女子にしか注目されていない為……


まだ、何とかなる! そう思った……


真面目な女子は、グイグイ来ない!


しかし、


蒼のビジュが、イケイケ! ギャルにバレでもしたら……


アイツらは、見境無く! 蒼を我が物にしようと血眼になって群がる!!!


それだけは、避けたい!!!


私は、自分の気持ちを伏せて……


いい感じの話で、ユウさんに相談する事にした。


すると……


蒼は、ユウさんに勉強を教えてもらっている事が判明!!!


何してくれてんじゃー!!! このアマわ!


私が、どれだけ大学で蒼の事を皆んなに気づかれない様に

頑張っているか、知らんのかー!?


知らんわなー!!!


しかし、困った……。


またもや、コイツが悪の根源とは!


誰が、予想しただろうか…………


しかも、蒼の成績が上がった事を喜び!


悪びれる様子もない……


「ふぅ〜……」


私は、軽く息を吐き……気持ちを落ち着かせる事に


そして、この女と話をしよう!


「ユウさん……一つ聞きます。」


「はい、何でしよう」


「あなたは、蒼の事をどう思っているのですか?」


「……どう? と、言われましても…………」


「好きか? 嫌いか? で、言ったら?」


「……それは、勿論! 好きですよ」


……えっ! そうなの…………?


「……へ、へぇ〜…………」


少し沈黙が続くと……


「ですが……人として、と言う意味ですよ」


人として……?


「男としては?」


「男としてと言うと……」


「男としてと言うと?」


「男としては、全然! ですね。

私は、幽霊ですので……

霊体になると男性とか女性とか性別の概念が無くなりますので……

特に、何とも思いません」


「へぇ〜……幽霊になると性別とか関係なくなるんだ〜」


「そうですね。

だから、私は……蒼さんの事も好きですが、同じくらい小春さんの事も好きですよ」


「えっ! そうなの……

ごめんなさい。 私にそう言う趣味は、無いです!」


「いえ! 別に性的な意味合いでは無く……

感覚的な物ですね。

蒼さんは、何と言うか……美味しそうって感じですね」


えっ!!!


「美味しいそうって! 蒼を食べるつもり!?」


「食べないですよ! 感覚的な意味ですよ。

霊感が強い人って、なんか良い匂いがするんです」


「ヘェ〜……なら、私はどうなの?霊感とか無いけど……」


「小春さんは、落ち着く感じですかね……」


「落ち着く感じ……? それは、何故?」


「何と言うか…… 陰と言うか……

闇を纏ってると、言うか……

オーラが、どす黒くて……

一緒にいて、落ち着きます!!!」


「えっ! 私のオーラって黒いの?」


「はい、ドス黒いです!」


「すっごい嫌なんですけど……」

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