第5話 普通……

それから……


私達は、大学の入学式も無事に終わり。


普通の生活を送っていた。


唯一普通で、無いのは……


彼の家に幽霊が、居る事。


こんな事、友達にも相談出来ないし……


彼氏のアパートに幽霊が居て、家事をしてくれている。


しかも、彼氏と仲が良くて困っている。


なんて、話したら……


頭が、おかしくなったと思われてしまう。


今日も彼の家に行くと、幽霊のユウさんが出迎えてくれる。


そして、今日も幽霊と彼は仲が凄くいい……


彼は、ユウさんに今日の出来事などを話し。


2人で、盛り上がる。


私は、彼女なのに……蚊帳の外感を感じる。


確かに……同じ大学に通っている為。


大学で話すから、家に帰ってから話す事など! 特に無い!!!


しかし、寂しいものは寂しい……


でも、彼は私の事を1番に考えてくれているし……


ユウさんも悪い人……? 悪い幽霊では、無い!!!


それが、わかるから何も言えない……



しかし、今日は私が手料理を振る舞う日。


ここ数週間の血の滲むような努力を見せつけてやる!!!


今日こそは、彼の胃袋を掴み。彼の心を私の元へ引き寄せる!!!


そして、私は料理の準備を始めた。


今日! 作るのは、ハンバーグ!


この数週間、究極のハンバーグを作る為に


色々と試行錯誤して……


辿り着いた究極の調味料!!!


それは……



【愛情!!!】



愛情をたっぷり注げば、どんな料理も美味しくなる!!!


私の料理は、数週間で! そこまで辿り着いた。


そして、作り始めると……


蒼とユウさんが楽しそに話しているのが目に入る。


私は、ハンバーグをこねる手に力が入りすぎている事に気づくと!


ハンバーグに集中する……


愛情をたっぷり注ぎ…… 詰め込み……


丁寧に、丁寧に作る。


しかし、2人を見ていると愛情より憎しみの方が優ってしまう。


気がつくとハンバーグを殴っていた!


これでは、いかん!!!


私は……


「平常心……平常心……。」


そう心に、言い聞かせながら……


しかし、ーーー!!!


目の前で、私の彼氏が他の女幽霊とイチャイチャしているのを見ながら料理なんて!


平常心で、出来るわけがない!!!


私は、ハンバーグに! 

たっぷりの憎しみと、怨み辛みを注ぎ込んだ!!!


そして、完成したハンバーグ!!!


やってしまった……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る