第2話 使命

 桃太郎は深く絶望していた。岡山大学を卒業し、裁判官になる夢を絶たれたからだ。


「桃太郎元気ないな、大丈夫か?」


 犬助が桃太郎を心配し、声を掛ける。


「うるせえ!てめえに何が分かる!?!?!?!?」


 桃太郎は激昂し、犬助に殴りかかる!


「ぐぁっ! や、やめてくれ桃太郎!」


「うるせえええええ!!!!!しねええええええ」


 ドガン! 


 強烈な一撃が犬助の頭を粉砕、犬助は死んだ。


「ふう、すっきりした」


 桃太郎は犬助を殺し、満足げな顔でタバコを吸う。


「プハーッ、こんなことしたって埒が明かないな…」


「でもやっぱり何もしたくねえ…」


 桃太郎が頭を抱えているところに、1人の女性がやってきた。


「あ、桃太郎さん…こんにちは…」


「ああ、雉子か」


 女性は桃太郎が大好きな雉子だった。だが桃太郎は何も感じない。自分のことをフった女になんて、何の興味もない。


「実は、話したいことがあって…」


「なんだよ、相談なんて聞かないぞ」


「…私に全裸で告白してきたのって、あなたじゃないですよね?」


「ああ、俺じゃない! きっとそいつは偽物だ!」


「やっぱり! 私のことを助けてくれたかっこいい桃太郎さんが、あんなことする訳ないですよね!」


「ああ!するわけないするわけない!!!!!!」


「桃太郎さん好き! 私と結婚して!!!!!」


「もちろんさ!」


 こうして、桃太郎と雉子は結婚した。


「それから、桃太郎さんに会いたいという人がいまして」


「誰だそいつは」


 桃太郎たちの前に、つむじ風が巻き起こる。


「ウオッ!? な、何だ!?」


 つむじ風が止むと、桃太郎たちの目の前には2人の男が立っていた。1人は黒いコートを纏った大男で、もう1人はビール腹の巨漢だった。男たちは桃太郎に名乗る。


「どうも、犬養と」


「犬男です」


「誰だよ」


「私犬養から、あなたに伝えなくてはならないことが」


 ビール腹の巨漢、犬養は暗い顔で桃太郎に語りかける。


「近い未来、私たちは岡山大学を再建します」


「なっ!? 岡山大学を!?」


 桃太郎は嬉しそうな顔をする。


「ですが…」


「それを叶えるためには、あなたに伝説の戦士、『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』になってもらい、『鬼』を駆逐してもらう必要があります」


「『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』? 『鬼』?何じゃそりゃ」


 桃太郎は首をかしげる。


「『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』とは、1000年に一度現れると言い伝えられている、最強の戦士です。あなたは『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』になる可能性が最も高い」


「そして鬼とは、同じく1000年に一度現れると言い伝えられている最強最恐最狂の戦闘民族。彼らの略奪行為で今まで何度も日本が滅びかけています」


「そんなに強いのか」


「はい、現代のどんな兵器を持ってしても、奴らを駆逐することは不可能。あっという間に日本が滅びてしまうことでしょう」


「ですがあなたが伝説の戦士『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』になったら話は別。『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』は唯一奴らに対抗できる存在です」


「あなたが『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』になり世界を救ってくれたら、岡山大学は元通りになります」

 

「なるほどな…」


「世界を救うのも悪い話じゃなさそうだ、それにそれで岡山大学が元通りになるってんなら…」


「俺に手伝わせてくれ!」


 桃太郎は力強く答えた。


「OK交渉成立」


 こうして桃太郎は、新たな目標、『超強最強強神剛神桃太郎ちょうつよさいきょうつよかみごうしんももたろう』になり鬼を駆逐するための修行を開始した。



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岡山事変 〜最強の戦士〜 阿修羅刹 @Kikenzinbutu

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