07 のこちゃん、眠れなくなる
のこちゃんが
その
ただ、のこちゃんの様な
思い返せば、
のこちゃんは、部屋に
やはり、
地震が来たらここは大丈夫なんだろうか?などと、つい日本人らしい事を思う。
休む
その
特に
「ひとりで………………かぁ」
小さく
ここへ来て、初めてティハラザンバーの姿を確認した金属製のフラットな
頭の
「いや、こいつとか………」
のこちゃんは、ゆっくりと手を
まじまじと見れば、らんと光りを
猫
のこちゃん自身も、自分の姿とは意識せず、不意に鏡を見たらギョッとする自信がある。
こうなると、
「………………チャムケア、見たいな」
いつもなら、
近年ののこちゃんを
しかし、命が助かる事と
のこちゃんに残されたのは、もうティハラザンバーの身体だけである。
気が付けば、
止まらない涙とともに、はははと、かすれた小さな笑い声がその口からもれる。
何度か小さな笑いをもらしたあと、のこちゃんは、しばらく
『………………
それに、戦うための技術や
のこちゃんの様子を見かねたのだろう。
のこちゃんは、その存在をすっかり
「
『ふむ、
それに、今の
君は、これからの自分のために…本当に
「でも、
『それと、可能ならばその
そう言えば、キラキラネームで苦労していた
「あっ!」
『突然どうした?』
呼び名と聞いて、
それに考えてみれば、
そのお
何より、そんな
「あ、
こうして助けられているわたしの名前は、
できれば"のこ"と呼んでください………」
と言っている
『こちらの
分かった、君が人として生きていた
とは言え、
そんな
じっさんの反応からして、ティハラザンバーの名前は、魔の
前半が
「
『
チャムケアで言えば妖精に当たるポジションだからと、"ザザ"や"ザンザン"、"ンバー"など
「ちなみに、リナさんだと?」
『そこは、
「
ティハラザンバーの身体には、その
『ふむ。
かつての
のこちゃんは
「………それは、見守られていて
『ふむ!その通りだ、のこっ』
本当は"リナさん"ではなく"リナちゃん"の線で良い感じかも!と思っていたのこちゃんなのだが、実際に言ったら
だったら、"
「"
本当の所は、のこちゃんが
『とれーなーとは、どういう意味なのだ?…のこ』
何か
「あー、誰かを
『ふむ、それならば悪くないと思うのだが…のこ』
「え、そうですか?」
『
それは、お
「そ、そう…ですね」
「よろしくお願いします、トレーナーさん」
『ふむ、
ただ、のこちゃんが
その後は、のこちゃんとトレーナーがティハラザンバーの
のこちゃんの
「あれ?、
『恐らく、
「でも、それが
『ふむ、いつかは消えるのだ。
その時が早まるだけなので、あまり気にしない様に…のこ』
「いや、ダメじゃないですか!」
見知らぬ世界で
今後ティハラザンバーとして生きていかざるを
なるべく
とは言え、
夜が明けてしばらくすると、ジャガーの
今日から正式にティハラザンバーが
「おはようございます、ベニアさん」
「おはよー、えーと…トマトザンネン」
「誰がトマトで残念ですかっ」
「トマトってなに?」
「ベニアさんが言ったんでしょう!」
「あ、そうかー」
面白いねぇと、ベニアがけらけら笑う。
「ティハラザンバーですよ………
正直な所、のこちゃんにしても、ティハラザンバーの名前へ思い入れは無い。
だからと言って、
実際、
「あははは、ごめんごめん、ティハラザンバーだよね。
もう忘れないから安心して…でも、アタシにそんな
前にも言ったけど、
楽しそうに話すベニアの調子に、のこちゃんの気分もつられて軽くなる。
「うん、分かったよ、ベニア」
「あと、パニアおばさんから、これを
ベニアは、
ここでは何もかもが
「これは?」
「パニアおばさんが若い頃に使っていた、
かなりダブダブなサイズを着たい時期があって、その頃の物だからティハラザンバーにも入るんじゃないか?って言っていたよ!」
どうやら、若い女の子がずっと背中とおしりを丸出しなのは
「………ありがとう」
丸一日を
『人間の感覚では、分からぬ事もあろうな…のこ』
そして、
その
ティハラザンバーの巨体が
ただ、
ズボンの
「おお、このカラダにつんつるてんじゃないのは、スゴイかも…」
「どうかな、おかしくない?」
「カッコイイよ!
………でも、パニアおばさんにもこんな
そんな事をしみじみと言うベニアに、
それは、亡くなったお父さんがやくざ者だった事で小学生の頃に良からぬ
確かに、のこちゃんの
とは言え、
何より、現在に
そして、おしりが
チャムケアさえ連想できれば、のこちゃんとしては、あらゆる
――――――――――――――――
「それで、どこへ顔を出しに行くの?」
のこちゃんは、道すがら、案内してくれているベニアに
「あー、うん………今回の
それでねー………」
「はかいがが?」
「
それで
ティハラザンバーの事も、本当に
でも、それ、じっさんが
これまで
軍団どうしの
『ふむ、
時間は限られているのだから、これも
のこちゃんが案内されたのは、
恐らく、
そして、ここの
最初に通された部屋で見た物と同じくらいの大きさである。
のこちゃんは、
確かに、アームカバーとブーツの
「おお、服の
『ふむ、
おしり丸出しの件は、トレーナーも気にしていたらしい。
「ほら、ティハラザンバー、アイツだよっ」
ベニアが
ティハラザンバーに近い長身だが、じっさんや同じ
ただ、背筋の
モノトーンの
『ほう…これは…』
トレーナーが、
そんな
「よく来たな、ティハラザンバー…であったか?」
それは、
「あ、はい、よろしくお願いします」
のこちゃんは、剣道教室の先生へする様に、思わず
「うむ、
口さがない者は
「はぁ…」
それはともかく、なるべく痛い思いを
しかし、じっさんレベルの相手に対した場合、これもやらないよりはマシくらいな事でしかないと思うと、少し
「フフッ、そんな顔をするな。
そう言うと、
そこからは、また別の
「
それは、ベニアと同じくらいの背丈であろうか、訓練用と
しっぽも同様にピカピカモフモフで、のこちゃんは、ちょっとさわってみたくなる
あいつかーと、ベニアが
「セイランだ………
強い者は
「ティハラザンバーです…」
のこちゃんは、
その様子を見て、
「相手の事も、よく
確かに、
さて、と
「お前は、
正直な所、
「この場では使わず、立ち合いは、
ん?と、のこちゃんは
確かに、これといった能力やすごい経験のないこの身一つとなれば、
『ふむ、こやつは、
「ああ、
「体の動きだけでも
セイランもそのつもりで相手をする様に…なるべく、
「はい、
セイランが
「あー、でもわたし
小さな声でのこちゃんが
『これまで通り相手の意識の流れを見る事それ自体は変わらぬのだから、
さすれば、今後の剣を使う戦いに
「では、
「はじめっ」
続けて、
「わっわっわっ…」
のこちゃんは、セイランの
セイランの身体は、コマの様に身体を回転させて
それは、ふわりと
その美しい身のこなしから、
セイランの意識に関係せず
大きな
同時に、セイランも音もなく着地し、感心した様にほうと息を
「ひーっ」
ちなみに、これは、のこちゃんの悲鳴である。
力強い
ティハラザンバーの胴体へセイランの
つまりその悲鳴は、こんなのしのぎ続けられるか!という、のこちゃんの心情が
その
「さあ、二人とも、
のこちゃんの絶望は、言うまでもない。
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