06 のこちゃん、謎の武装組織に入る
軽くてあまりにも
しかし、
のこちゃんがそんな事をぼやいていると、
『君のその身体、ティハラザンバーへ
君が飛びこんできた時ほどの大きさではないのだが、
素直にその事を質問してみると、
何でも、
のこちゃんは、押し入れの
「いや、大きめって事は、押し入れそのものなのかも知れないな…」
自分の中に押し入れがあると思うと複雑な気分なのだが、言われた通りに意識してみると、なかなかの広さがあると分かった。
そこへ放り込む様なイメージをすれば、
「うわ、あたしの部屋より広い押し入れじゃん…ん?」
消えた
「何だろうコレ」
今度は、取り出す様なイメージをしてみると、"それ"がのこちゃんの手の中に
それは、どこか
『ああ、それは君が着ていた服だ』
一応、取っておいたのだと
確かに、警察へ協力する
去年の夏休みに、家族で出かけたファストファッションの
体の大きなティハラザンバーの手で持っていたから、子供服の様に見えたのである。
ただし、爆発の
あれから、どれくらいの時間が
「おばあちゃん、おじいちゃん、きょう姉さん、心配してるだろうな………………」
もっとも、ティハラザンバーのこんな姿で帰ったら、全員ひっくり返るかと思い直して服をそっと押し入れの中へ
「いや、きょう姉さんだけは、
のこちゃんは、行き場のない感情をごまかす様に、少し
――――――――――――――――
ちなみに、中心に
そこは、じっさんがトップにいるらしい、猫系
やっぱり、あの
心の中でしばらくお
「うん?どうかしたのかティハラザンバー」
「いや、ここのラス…一番
「ああ、ありゃあ、そういうんじゃねえよ………まぁ、
「はあ」
どうやら、
そう言えば、イタチやオコジョの
そう思いながらのこちゃんが
恐らくは、のこちゃんとじっさんが合流したので、目的を
のこちゃんが正式に
すなわち、
それは、
じっさんがどこかへ行ってしまった後、
「本当に牙は………ある、けど、これはそういう
虎と言えば虎なものの動物の虎そのままではない、どこか怪獣めいた
目の色は
いや、基本的に
そんな中、意識して耳を
ティハラザンバー全体の
そこへ、首の下辺りからワンピースのハイレグ水着
のこちゃんの予想通り、
頭部には、
確かに、目を
見えない?
本当にそうだろうかと
「ワガハイはティハラザンバー!、マジンデンにサカラウ者はミナゴロシなのだっ、ザンバーァ!!」
などと
その
ちなみにそれらは、特撮ヒーロー好きなきょう姉さんのお
「うう、チャムケアに
モソモソとそんな事を言って
『そんな事よりも、案内役の者が来た様だぞ?』
のこちゃんが部屋の出入り口の方へ視線をやると、そこには、最初にここで出会った猫の
「あっあにょ、
その
「ああっ、ごめんなさい!
顔が
「あっ、あれ?どうしました、猫
猫の
――――――――――――――――
あまりに帰りが遅いので様子を見に来たじっさんに、気絶した猫の
「お前なぁ、名前もそうなんだが、他者からどう見えてるとか…もっとこう、自分の事をしっかり
『ふむ、まったくだな』
「ご、ごめんなさい」
じっさんと
「キットカッチェは…こいつの名前な、
まぁ、見た感じもいつも通りだから、大丈夫だと思うぜ?」
じっさんにそう言われて、事なきを
のこちゃんは、
「良かった………………」
キットカッチェさんって名前なのかぁ…などとぼんやり考えながら、のこちゃんは、
「あらら、そんな所にでかい
目はティハラザンバーに近い濃い金色なのだが、のこちゃんの性格的なキョトンさと
黒い体毛とは反対に、体へピッタリとした白い服のパンツ姿で、全身のスマートさを
その
「こいつはパンタニア・パニア、
こえぇから、絶対に怒らすなよ?
パニア、こいつはティハラザンバー、後の事は
「ええ…それはそうと、
じっさんの出ていった
「じっさんがさっき言っていた通り、キットカッチェは、ここに寝かしておけば良いわ。
さあさあ、立って立って、
「あっ、すみませんっっ」
のこちゃんが
「ごめんなさいね…聞いていた
「え?、あっはい………………
『ふむ、君の体が
「名前は、本当にティハラザンバーで良いの?」
「あー………はい、まぁ、そんな感じです」
『名前に"そんな感じ"も何もないであろうよ』
長身とは思ったものの、ティハラザンバーの顔のやや下にまで
今まで見てきた
それに加え、
これには、のこちゃんも結論せざるを
「女
なので、思わず口に出してしまう。
やはり、悪の組織と来れば、美しくナイスバディなお姉様系の女
それは、主人公
どちらかと言えば
またしても
「女
『何故、くり返すのだ?』
「何で、くり返したの?」
のこちゃんとしては、だいじな事だったからに他ならないのだが。
「しかし、女
ティハラザンバーに用意された部屋へ案内する道すがら、黒い毛並みをキラキラさせながらからからと笑うパニアは、
「
特に
「………はあ」
『なれば、当初の予定通り、その身体に慣れる訓練が
さすがに、
「ああ、でも
だったら部屋へ行く前に
元より、
やがて、
そこは、最初にのこちゃんが通された場所と同じくらいのやはり訓練所か道場として使われているであろう広さで、高い
そう言えば、ここの
「あのこは、この時間だとトレーニングしていると思うのだけど…ああ、やっぱりいたわね」
のこちゃんが部屋の中全体へ意識を向けると、何者かが発したであろう
じっさんとの決闘を
そこには、
「ベニア、ちょっと良い?」
パニアに声をかけられ、こちらに気が付いたその者は、動作を中止して
毛並みに
「何?パニアおばさん…」
次の瞬間、パニアから発せられた数え切れないほどにひしめく
それは、決闘でじっさんがのこちゃんへ見せたものに
それが、見えていたのか分からないものの、ひゃあっと短い悲鳴をこぼして、ジャガーの
「ダメでしょベニア?、ここでは、ただのパニアとベニアだと何度も言っているのに」
『ふむ、
「さすが、女
パニアが"おばさん"という言葉に
「あんな呼ばれ方をしちゃったから言うけど、この
分からない事は、このベニアから聞いてちょうだいね」
「ベニアって呼んでね!」
「よ、よろしくっ」
「
明日から一緒だと思うから、こっちこそよろしくだよ!!」
パニアに似た金色の
赤味のかかった毛並みに
そう言えば
「
せっかくの人材をいきなり
「!」
その
やはり、悪の組織と来れば、これぐらいの
のこちゃんは、
『ふむ、君がニヤニヤしている時も、あんな感じだな』
「………………」
もしかすると、
のこちゃんは、ティハラザンバーの身体を
「あと、何か、ごめんなさい」
「え、急にどうしたの?」
"
ベニアは、よく分かんないけど面白いと言って、けらけら笑っていた。
――――――――――――――――
パニアに案内された部屋は、ティハラザンバーの
なので、実際は、ちょっとした旅館の
むき出しの石造りっぽい壁には、
それでも部屋が暗くないのは、
家具は、ティハラザンバーが横になれそうな
「もっと、
それは、のこちゃんの想像より、かなり上の
「言ったでしょ?、
それに素直な女の子なんだから多少はねっと、
もう、今日は休んで良いという事らしい。
明日は、
のこちゃんは、ドカリと
「
意識を取り戻してからは、自分の
『ふむ、いきなりその身体だったからな。
「あたし、これからどうなるんだろう………って、
もちろん、
とは言え、14年の
ただ、現在いる場所に
『それについては、君にひとつ、言っておかねばならない事がある』
頭を抱えるのこちゃんに、
「何ですぅ?、またダメ出しですかぁ………」
見知らぬ土地とは言え、個室という少し気を
もっとも、いくらティハラザンバーの身体能力が高くても、のこちゃんの精神的な
むしろ、よくここまで
だが………
「いやっ、やっぱり気を
チャムケアは絶対に
ぐだりそうだったのも
やはり、子供向け作品の
『ふふっ、強いな君は………その強さを信じて、やはりハッキリと言おう。
それほど遠くない未来、現在こうして君へ語りかけている
「………ふぇ?」
のこちゃんは、
そんな様子を知ってか知らずか、
『ふむ、そもそも君をティハラザンバーへ
ちなみに、まだのこちゃんの
『原因は恐らく、
それ以上は
「………でも、だったら、もう消えたりはしないんじゃないですか?」
その弱々しい
『くり返す様だが、残された
それに、必要な時がくれば、
「それじゃあ…」
『ふむ、なれば消えるその時までは、
「
『その
「………………」
しかし、のこちゃんは、もう次の言葉が出てこなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます