05 のこちゃんの怪人テスト
「俺は、
少ししわがれた声でそう話しかけてきたのは、白い
『こやつは、かなりの
君、この際、胸を借りるつもりでその体を色々と
すでにコツは
などと、お姉さんの声は気安く言ってくれるのだが、実際に事へ当たるのこちゃんにしてみれば何の参考にもならなかった。
「ええぇぇ………」
目の前に立っているだけで、先ほどとは比べものにならないほどの
本当に戦いが始まれば、何を出来るでもなく
と言うか、そもそも決闘なんてしたくないのであるが。
事の
のこちゃんがそれとなく
陽の位置は、まだまだ高い。
この広場に来てから、それほど時間の
「よう虎の、お前は、何て名前なんだ?」
まだ
当然の様に、戦いを前にした
「え!?の…う~ん」
"
ただ、その理由は自分でもよく分からない。
『ふむ、かつての君の名が何であったにせよ、今の君とでは存在自体がかけ離れている。
恐らく、その名を明かした所で、
気持ちの問題であるなら、ここは仮に、ティハラザンバーとでも言っておけば良いだろうよ』
「…ティハラザンバー!」
言ってしまってから、あれ?、その名前って
すでに取り返しは付かない。
「ティハラザンバーか…
やはりその
ちなみに、
チャムケアシリーズの各タイトルには、それぞれ独自の世界観がありチャムケアの設定すらも作品
第1話にて力を
なので、のこちゃんにとっては十分なパワーワードであり何それカッコイイと声を出さずに食いついていると、君は今まで
『こやつが言っているのは、
しかし、
「そ、そうなんだ………
どちらかと言えば、のこちゃんが置かれた
しかし、そこをさっ
「それじゃまぁ、ティハラザンバー、始めるぜ?」
じっさんは、そう言うなり腰の後で
その
じっさんは、そんな自分の身長にも
「っ!」
のこちゃんは、思わず息をのんだ。
のこちゃんは剣道の
そして、じっさんが片手で
その事を頭で理解した瞬間、
『
感情に
特に実力者を相手にする時、それは
先ほどタレンとやらにやって見せた
確かに、しっかり気を入れて
そして何より、こんなよく分からない場所で、しかも
だから、のこちゃんは、
しかし、そこまでである。
外を歩いていた時に、そよ風が不意にひゅるりと
そんな
胸の辺りの
「くあっ」
のこちゃんの口から、苦しげな息が
じっさんの
それでも、その着地する際の
「おお、
じっさんは、正面に
やはり、それ
どうやら攻撃そのものは
「び、ビックリしたっ」
ただ、いきなりの事だったので、
猫だったらしっぽが
ティハラザンバーに、しっぽは付いていないらしい。
『ふむ、単なる片手の
「単なるって」
「けどよティハラザンバー、今ので終わらせる訳にはいかねぇな。
こりゃあケジメだ………次のは、ちょっとキツいぜ?」
そう言いながら、両手持ちの大上段へ大剣を
その
それまでの
のこちゃんは、
「なにこれ………」
『ほう、まさしく
これは、
何やら楽しげなお姉さんの声は、のこちゃんに届いていない。
それもそのはず。
のこちゃんが
一つ一つハッキリとした
「覚悟を決めろよ、ティハラザンバー!」
何か、
「だめだ、
思わずのこちゃんが弱気を
明らかに、
『ふむ、ならば、すでに牙は持っているのだ…』
お姉さんの声と重なる様に、じっさんは、自然な
それは、
――――――――――――――――
魔に
長く
その地の
後は、戦いの
「美しき
よって、
それに対して、
それにしても、
「…って、あれ?決闘してるのって、わたしじゃなかったっけ??」
確かに、のこちゃんへ向かってじっさんが何だかもの
しかし今、
そう言えば、
どうなっちゃってるんだろうコレとしばらく考えて、
間もなく、
距離が開いていても、大地を
しかし、これらは
「おお、『ハードチャレンジ!チャムケア』や『バシバシ!チャムケア』のプロローグもこんな激闘シーンから始まるし、なかなかそれっぽいシチュエーションですなぁ」
つまり、目の前で起こっているかの様に見えるこれら全ての現象へ、のこちゃんは
決して、自分とじっさんの
不意に、
「ふむ、やはり、このままでは
ならばと、
一方では、
それを同時にいくつも出現させ、つるべ打ちで
「
「怒ってる
ちなみにのこちゃんは、最初に気が付いた位置から少しも動かず、そんな
その後も、
それぞれが
最初は、全方位のスクリーンへと
そして、この
「そうか、これ、先代チャムケアとの
シリーズタイトルによっては、その姿すらデザインが用意されていない場合もあるのだが、敵との
もちろん、
しかし、なまじチャムケア体験が続いてしまったせいで、もしもこの
「いやでも、こういうのは、
よく考えたら、じっさんとの決闘で自分がなかなかの
それならば
「
この
一度こうして
そう、息をつきながら言う、
苦しそうに、
「あっ」
のこちゃんには、その光景に
「ここに
のこちゃんが、頭の上に見えない
「ふむ、
しかし、いま
しばらく両手でその柄を
この
「
やがて………………
『ふむ、ならば、すでに牙は持っているのだ。
のこちゃんの
――――――――――――――――
じっさんの
まさしく、
これはやっちまったなと、当のじっさんも確信するほどの、明らかに必殺の一撃であったのだが。
それは、出し抜けにのこちゃんの両手へと
つまり、牙である。
「は、え?!」
のこちゃんが思わず
再び、
ただし、今回はじき飛ばされたのは、じっさんの方である。
「うぉっと、何だそりゃあ!?」
それは、
しかし、
そんな見た目に反して、
「何これ、
『ふむ、その
すかさず、お姉さんの声
「いや、こんなの持ってなかったと思うんだけど…って、もしかしてこれも体の一部って事なんじゃ」
『
もはや君とは
それを体の一部と言うのであれば、確かにそうであろうな』
そんな恐ろしい結論を思いついてしまい、
「"確かに"とか言わないで欲しかったよねぇ…」
そんな流れで、
「
「え?…ア、ハイ」
「アレをよく
「ガンバリマシタ」
何かもう、本当にがんばる気力も
じっさんは、しばらく考える
「こんなもんで良いだろ……さっきも言ったが、コイツは俺が一方的に拾ってきたからな、だいぶ混乱してたんだと思うんだ。
後は、こっちで責任持って色々と言い聞かせとくって事で、どうだタレン?」
じっさんの視線の先で、
「よし、じゃあこれで本当に終わりだ。
お前らも、とっとと自分の持ち場へ
そんな中、
「………
何事もなかったから良い様なものの、
実に大人げない」
「だから、
「ご
そんな事を言い合っている二人の
「なぁ、ティハラザンバーを今期の
「そうですね………実力的には、問題ないかと思いますが」
「よし、じゃあそうしてやってくれ。
「なるほど、
「てな訳だ、ティハラザンバー」
「………………」
「よう、ティハラザンバー…」
「………………」
「ぼやっとしてるんじゃねえぞ、ティハラザンバー!」
突然じっさんに肩を
「へ?!あ、わたしの事か、何ですか!?」
「お前なぁ………自分で考えた名前なんだから、もっと…まぁ、良いか」
むっとしながら、それは
「何か思う所があるんだろうが、お前自身が
そして、それは受け入れられた………理解しているな?ティハラザンバー」
「…はい、そうですね」
他にどうしようもないのでと、のこちゃんは心の中で付け加える。
「なら良い。
じゃあ改めて、
ティハラザンバー、戦力としてのお前に期待する………よろしく
そう言うと、じっさんはのこちゃんと
『ふむ、この
恐らく、次にまた
その前にじっさんから
「また、
ここに、
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