02 のこちゃん改造される
のこちゃんが意識を
いや、暗いと言うより、光が無いと言うべきだろうか。
確かに、のこちゃんは目を開いたはずなのだが、目を閉じた時と何も変わらず
目を
開けても
そして、
ぼんやりと、
『………死んだか、これ………』
出したつもりの声は出なかった。
『うわ、マジかぁ………』
やはり声は出ないものの、
とは言え、こうして意識はあるのだから、よく考えてみればそこまで絶望的な
のこちゃんがその結論に
しかし、そうなればなったで、今度は反省会が始まる。
『やっぱりあれかなぁ………こっそりチャーミングストアへ行こうとして、
他にできる事もないとあり、結局、
しばらくするとそれにも
いったい、どれくらいの間、この
ふと、そんな思いがよぎった時である。
『君には、二つの
突然、女性の声がのこちゃんに話しかけてきた。
『ケアビースティ!?』
『…い、いや、
本来は
『ああっ、すみません!ここに他の人がいるとは思わなかったもので!!』
のこちゃんは、不意を突かれたとは言え
『………まあ、いいさ………君が落ち着くのを待っていたんだが、
『そうでしたか』
まっ
相手に自分の顔を見られていないのが、
『それで、その、ここはどこなんでしょうか?
わたしたち、これからどうなるのか、お姉さんはご存じなんですか??』
のこちゃんは、
『ふむ、そうだな……ここは、ひとことで言えば、
『
予想していなかった答えを返してきたお姉さんの声に、のこちゃんは、思わず
『その
『そう、その
英語の教科書を
決して
『………さっき、二つの
『ふむ、続けて良いかな?』
『お願いします』
『ふむ……まずは、君の状態なのだが…』
お姉さんの声がそう
何かの動物から
いや、あれは
そんな事を考えている中で、ふと
一瞬、あれが声の主であるお姉さんなのかと思ったのこちゃんであったのだが、よくよく見るとそれは………
『あたしじゃん!?』
そこには、恐らく爆発によって
『ふむ、かろうじて
だったらこの自分は何なのかと
『君は自分が声を
『………………………』
『
明らかに
ただしそう長くはないとお姉さんは、のこちゃんへ
元より声を
『どうしたら良いんでしょうか』
ただ、ポツリと
そもそも、正気を
『ふむ、同情はするものの、このままであれば助からない
それが君が選べる最初の
『いやいやいやっマテマテマテ!』
『ふむ、意外と元気だな。
本当に、のこちゃんの
『わたしの命を助ける
それは、そうだろう。
確かに、謎の爆発にやられてしまったらしいとは言え、家族や友だちにも恵まれ、何より大好きなチャムケアと出会って、さぁ人生これからだ的な前向きの心持ちだったのである。
チャムケアは、絶対にくじけないのだ。
『ならば、もう一つの
のこちゃんが復活したので、お姉さんは、何事もなかったかの様に話を次へ進める。
もしかしたら、のこちゃんの
『君が助かるには、
そうでもなかった。
『人間である事を
のこちゃんは、また思わず
『人間である事を
『ふむ、このまま放って置いても君の命がそう長くないのは、この
『
『ふむ、この
『………………………………?』
『どういう訳なのか君がここへ
この
数千年とか聞こえた気がして話の内容はよく理解できないものの、どうやら自分の
『ここが
『恐らく、
そして、外の時間
のこちゃんは、その結末が一番ダメなやつだと
『それで、その、わたしが人間である事を
お姉さんがのこちゃんに
『ふむ、なれば、
『助かるって事ですか?!』
『簡単に言えばそうだが、
どうしても、
それは、
『それが、人間である事を
『ふむ、当然、君の肉体を
その
それが
『お、お願いします!』
のこちゃんは、ハッキリと
『分かった』
お姉さんがそう
それと同時に、のこちゃんの傷ついた体は、その
説明にあった
そして、のこちゃんの
――――――――――――――――
「………………という夢を見たのさ」
「何か、
そろそろ1学期の
放課後になると、自分の教室から
もちろん、それが分かっているのこちゃんも、
「ふふふ、
「うわ、こいつ、うぜぇーっ」
「くっ、何をするキサマ!」
のこちゃんが
「のこちゃん、
「ここに来て、急な
テキトーな事を言いつつ
春も
陽が
この楽しい時間がずっと続けば良いなと思っているのは自分だけじゃないと、
「そー言えば、この前、山の方へ行った時にさぁ………………」
ふと、のこちゃんは、お
背の高さはのこちゃんよりも大きく、整った顔立ちと
しかし本当の所は、幼い
「ん?どうした、のこ」
のこちゃんと同じくらいか少し高めの背で、ふんわりとした毛質の黒髪を耳が隠れてしまう
目も大きく
「
やはり、皆で山の方へ遊びに行った事と、春のチャムケア映画に
「何か言いたげね、
急に胸がいっぱいになったのこちゃんは、大好きなこの友だちたちに言わずにはいられなかった。
「………………秋のチャムケア映画は、皆で
一瞬、その場の空気が
「ああ、のこ、お前、何考えているのかと思ったら、もう、しょうがねぇなこいつ、ああぁぁぁ」
「くくっ、タイミングが合ったら考えるよ、あっははは」
「言っておくけど、"ローリンゲット!チャムケア"は、たまたま見ていただけなのよ?」
大げさに
夕陽の差し込む教室で、3人のその姿は、のこちゃんを
この楽しい時間がずっと続けば良いな………………
一筋の涙が、のこちゃんの
落ちてしまった
――――――――――――――――
のこちゃんがうっすらと目を開けると、そこは、
その身をなでる風も
相変わらず、体は動かない。
それでも、背中に感じるざらつきは、自分が現実にいる事を感じさせてくれた。
横たわるのこちゃんの体を、びょうびょうと、風だけが通り
わたしはここにいる。
ただ、それだけの事であるのだが、少しだけのこちゃんは
しばらくして、意識が再び
ガチャリガチャリと
そのまま、
「おい、見ろよ、
集団の中の誰かが、のこちゃんの存在に気がついて、指をさす。
「この辺りで戦闘があったとは聞いてねえが………死んでるのか?」
その集団は、
移動する方向をのこちゃんへ変えた集団が、
どうやら意識がないと
「いや、気を失っているだけだな………だいぶ
軽く
それを聞いた残りの者たちも、のこちゃんへと近づいては、気を抜かないままに
「ほう………」
「こいつは見事な………」
「意外とでかいな………」
横たわるのこちゃんを見て、その者たちは、
そう、
「
最初にのこちゃんへ近づいた者が、集団のある一人へ向けて
「そうだなぁ、どうやらこいつは俺ン所の
そう言いながらフードをめくって頭部を現したその者は、歴戦の
少ししわがれた声から察するにかなり
「それにしても、黄金の毛並みを持つ虎とは、伝説の神獣じゃあるまいし………初めて見る
白い
「まだ
この戦士集団を
「予定通りの
じっさんは、
そう言うと、その者は、他の者たちと共に元々向かっていた方へと
「さて……」
じっさんと呼ばれた白い
しばらくは何事もなく
どうやら、
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