第4話 死と蘇生
俺は、意識を取り戻すと…………
暗い洞窟の様な場所に、手首を縛られ吊るされていた……
俺は、何故生きている……?
そして……違和感に気づく…………。
下を見ると……
「うわぁぁぁー…………」
俺の足は膝から下が、無くなっていた。
そして、気づく…………
きっと、俺はオーク達の食事だ……
その為に、吊るされている。
足は、絶対に逃げられない様に切ったに違いない……
それを考えると
吐き気がして、吐いてしまった。
そして、俺は涙を流しながら……
また、気絶した。
それから……どのぐらい、だったのだろう。
1日、2日、3日…………
この場所は、ずっと薄暗く……
時間の感覚が、分からない。
そして、俺は、今…………
水分もとっていない為、カサカサに乾燥して声も出なくなっていた。
いっそのこと、殺してくれ! と
何度も叫んだが……
オークは、現れない……
もう、涙も出ない。
自分で、死のうにも力も入らない……
俺は、後どのぐらいで死ねるのか?
そればかりを考えていた。
そして、とうとう幻覚まで見えて来た……
俺の目の前には、白い布を被り顔を隠した
男? が、立っていた……
男は、俺に話しかけて来た……
謎の男「お前……まだ生きているのか?」
俺は、声が出せない為……
小さく頷いた
謎男「お前は、またモンスターと戦えるか?」
俺は、小さく首を振った……
サリーが襲われている光景が、焼きついて離れない……
しかも、今の状況……
またこんな目に、会うと思うと…………
俺の考えを遮り男が、話しかけてくる……
謎男「死んだ事は、あるか?」
首を振る……
謎男「そうか……なら、可能性はあるかもしれないな」
男は、剣を構えると……
謎男「もし、俺の事を覚えていたら……
会いに来い! この世界の事を教えてやる!」
そして、男は優しく俺の心臓に剣を突き刺した。
ラノス「ぁぁ、やっと死ねる…………」
視界が白くなり…………
気づくと! 始まりの街の教会に、立っていた。
下を見ると……
巨大な魔法陣が、描かれていた。
ラノス「これは!!!」
初めての蘇生で、驚き声を出してしまった。
すると……
近くにいた神官さんが、説明をしてくれた。
神官「こちらは、蘇生の陣です」
さっきまで、黄色く輝いていた魔法陣は光を失っていた。
そして、神官は続ける。
神官「そして、こちらが回復の陣です。
こちらは、どんな傷も治します。」
緑色の魔法陣が、描かれていた。
何となくポーションの色に似ていると思った。
神官「そして、こちらが転送の陣になります。
こちらは、他の街へ。一瞬でワープさせる事が出来ます。」
赤色の陣……
ラノス「残りの青のこれは?」
神官「こちらは、祈りの陣になります。
こちらは、定期的に入り祈りを捧げると……
心が浄化されます。
悪魔に取り憑かれたり。
精神病などに、かかった際は、お使い下さい。」
とりあえず、最後の陣だけはよく分からないが……
全て、覚えておこう。
そして、俺は教会を出ると……
街に人が、増えていた。
何故だろう……しかし、そんな事は
今は、いい……
サリーを探そう!!!
とりあえず、泊まっていた宿に行くと……
サリーは、今もこの宿に泊まっている事が分かった。
しかし、今は出かけていると言われた!
そして、またサリーを探す為に
街に繰り出すと……
ステータスに、サリーと連絡する方がないか探していると……
「いてッ!」
立ち止まっていた! 俺にぶつかり人が倒れた……
やってしまった。
止まり通信!
現代では、事故につながる為。
屋外で、禁止されている! 止まり通信。
やると罰金を取られる事もある……
俺は、すぐにステータス画面を消して
謝った!
ラノス「すいません!!!」
女性?「いえ、大丈夫です。」
男性?「いや! 大丈夫じゃねーから!
止まり通信は、禁止だろ!!!」
女性?「でも、MJこっちの世界では禁止とは限らないでしょ」
MJ「確かに……そうかもしれないけど!」
女性?「ごめんなさい。こっちも、よそ見しながら歩いていたので……」
ラノス「いや! 悪いのは、俺です。
申し遅れましたラノスです」
ミサ「私は、ミサで……こっちは、私の彼のMJです」
ラノス「・・・先ほど、よそ見をしていたと言ってましたが……
この街に来るのは、初めてですか?
それに、今日は人が多いみたいですが何かあったのですか?」
MJ「はぁ……? 何言ってるのお前……
今日は、第3回目のプレイヤーが転送される日なんだよ!」
ラノス「・・・それは、おかしい……」
MJ「何が、おかしいんだよ!」
ミサ「MJ黙ってて! ラノスさん……
何が、おかしいのでしょうか?」
ラノス「実は、俺も第3回目のプレイヤーなのですが……
俺とサリーは、数日前に転送されましたよ」
ミサ「・・・確かに……それは、おかしな事ですね……」
MJ「別に、おかしくねーだろ!
お前達が、魔法を覚えるのが早かっただけじゃねーのか?」
ラノス「・・・と言うと……あの練習場で、魔法の練習を習得した者から転送……」
しかし、何故今日こんなにも沢山の人が一気に転送されたのか……?
今日、転送された人で今回プレイヤー全員ではなさそうだが……
ラノス「……一つ聞いていいですか?」
ミサ「はい」
ラノス「魔法を覚えるのは、大変でしたか?」
MJ「大変に、決まってるだろ! 現実世界には無いんだから!!!
やれって言われて、そう簡単に習得出来るわけねーだろ!!!」
ミサ「でも、後半は丁寧に教えてくれたじゃない」
MJ「初めから、ちゃんと教えろよ!」
・・・まぁ、何となく分かって来た。
あの訓練場は、新たな世界で自分達で考えるのが目的の場所だ!
そして、少しずつヒントを出して覚えさせる。
忘れない為に……
その理屈で言うと
俺とサリーは、ただ単に覚えが早かっただけだろう……
ミサ「所で、ラノスさんは先に始めてたプレイヤーなら、この世界の情報をお持ちですか?」
ラノス「まあ、先と言っても10日くらいだから余り変わらないと思うけど……
俺の持ってる情報くらいなら街の人に聞けば教えてくれるだろうし。
ギルドに聞くのが1番かな?」
ミサ「お忙しいのですか?」
ラノス「逸れた人を探している途中なんだ……」
ミサ「サリーさんて、方ですか?」
ラノス「そう、何か知ってる?」
ミサ「いえ、分かりません……」
すると、後ろから……
サリー「あっ! ラノス……やっと戻ったのね」
ラノス「・・・サリー! 探したよ!」
サリー「ラノスが、なかなか復活しないから
この街のスイーツを食べ尽くしていたのよ!」
ラノス「お前は……何をやっているんだ」
サリー「たって、ラノスが遅いのが悪いんじゃない!!!」
サリーは、少しブスくれた!
ミサ「良かったですね。見つかって!」
ラノス「ああ、これで予定は無くなったから
お詫びを兼ねて、食事でもどうかな?
ご馳走するよ!」
サリー「えっ! 何? 誰? 誰?」
ラノス「後で、説明するから……
今は、何か食べて飲みたい気分なんだ!」
サリー「分かったわ! じゃー!
行きましょう!!!」
MJ「俺らは、別に行くと言ってねーぞ!」
ミサ「あら、そう……。なら、私1人で行ってくるわね」
MJ「待ってくれよー! ミサー……」
そして、4人で食事をする事にした。
一様、食事の前に自分のポイントを確認しておいた。
ラノス レベル10
ポイント53000
体力100
スタミナ80
攻撃力100
守備力120
敏捷性80
魔力160
ラノス「うわっ! そうか……」
死んだから装備とか一式、失ったのか……
ラノス「サリー……ステータスを見せて!」
サリー「はいよ〜」
サリー レベル9
ポイント 21400
体力108
スタミナ108
攻撃力90
守備力90
敏捷性144
魔力72
ラノス「・・・ポイント! 結構使った?」
サリー「・・・」
そして、お店に着くと……
今までサリーがポイントを使って食べた分の食料を食べる為!
沢山頼み! 必死に食べた!!!
そして、必死に食べても4人で5000ポイントも行かなかった。
サリーは、余り食べてないのを見ると……
俺達と出会う前に、何か食べていた事が分かる!
それから、MJ達と情報交換をして
その上! 沢山、ご馳走になった事や
お風呂や宿の情報。弓矢に魔法を纏わせる事、などを教えるとMJは、俺の事をアニキと呼ぶ様になった。
恥ずかしいから、本当! やめてくれ!!!
そして、俺達はMJ達と別れると……
武器屋に向かった。
ラノス「・・・サリー……死ぬ前の事、覚えているか?」
サリー「・・・あんまり……小さな村に、行ったまでは覚えているのだけど……
それ以上が、思い出せないの」
ラノス「・・・やっぱり、そうか……
実は、俺も……
断片的には、覚えている事もあるんだが……
大事な所が、すっぽりと抜けているんだよ!
ただ、死んだって事は覚えている……」
サリー「ラノスが、忘れるなんて珍しいわね……」
ラノス「まぁ、そんな事もあるだろう……
所で、あの村は? どうなった?」
サリー「私も気になってギルドに、確認したら……なんか他の冒険者が、解決したらしい」
ラノス「そうか……なら良かった。
サリー! 何故? 誰に? どう言うふうに死んだかは、分からないが……
もう、死なない様に装備は1番いいのを買おう!
そして、レベルも10前後だから次の街に向かおうと思う。」
サリー「分かったわ!」
そして、俺とサリーは
鉄の剣と鉄の盾、弓矢、鋼のナイフ、革の鎧あとポーションとマナポーションを2つずつ買った。
合計54000ポイントかかった。
そして、リュックなど旅の必要雑貨を買うと
所持ポイントは、また無くなってしまった。
まぁ、次の街で稼げばいいと考えて教会の転送魔法陣へと向かうと……
1人! 通行料として3000ポイントかかる事が、分かり……
俺達は、諦めて!
始まりの街の周辺で、ポイント集めをした。
ポイント集めの途中、新人冒険者を見かけたので、見つからない様に見学をした。
危ない者には、分からない様に助け立ちして……
そして、ポイントが貯まると俺達は、教会に行き! 転送魔法を使い。次の街へと向かった……
転送魔法に入ると魔法陣が輝き!
光の柱を通って神殿を経由して次の街へと転送されるらしい。
俺達に、転送されている時の記憶は無い……
光り輝いたと思ったら別の街へ! 転送されている。
神官が、勝手に説明した。
ただの設定だ! 特に気にする事をなく。
転送を終えると……
教会から街へ出た。
新たな街は、始まりの街より大きかった。
そして、街の周りは壁で囲われており
これならモンスターも入って来れないだろうと思った。
とりあえず、街の人に声を掛け!
この街の名前を聞くと……
フォレストと言うらしい事が、分かった。
言われてから気づいたが、この街は巨大な森に囲まれているみたいだ。
だから、フォレスト。
何とも安直なネーミングセンス…………
そして、俺達はギルドに向かった。
まずは、情報収集だ!!!
ギルドの受付に聞くと……
この森は、虫のモンスターが多いらしい。
そして、川や湿地地帯もある為。
大蛇やオオトカゲなども居るみたいだ!
しかし、川には凶暴だが! とても美味しい!
魚が居るらしく、是非! 食べた方がいいとの事だ。
最近、肉ばっかだったから魚が恋しいと思ってた所だ!
是非とも食べてみたいと思った!
そして、ギルドの受付との話が終わると……
3人組の冒険者に、声をかけられた!
「お前達、この街は初めてか?
俺は、レッド! この真っ赤な鎧と同じ燃えるように熱い男だ! 属性は炎だ!
よろしく!!! そして、コイツらは! 俺の連れの……」
その男は、真っ赤な鎧と大きな大剣を装備していて……ザ・冒険者って感じの身なりをしていた。
魔法は火属性! 俺は、心の中で……
いいなぁ〜と、思った。
「ゴウセルだ!」
「ミズキです。」
他の2人は、ゴウセルとミズキさん……
ゴウセルは、大きな体の男でお大斧とボーン装備!
骨の装備を見に纏った野獣みたいな男。
ミズキさんは、ローブを身に纏っている女性で、装備は普通の剣と弓矢。
2人とは違い。俺達とそう変わらない装備だった。
3人に、俺達も挨拶をすると……
何故か、彼らが座っていた席につかされた。
そして、レッドがペラペラと話し出す!
レッド「いや〜俺は、お前達を見てピーン!
と、来たんだよ!!!
お前達、新しいプレイヤーだろ!!!」
ラノス「まあ、そうですが……」
大体わかるだろう……始まりの街の装備を着て訪れた。
そして、ギルドにこの地の情報を聞く者。
なんて、新たなプレイヤー以外いないだろう……
レッド「やっぱりか!!! そうだよな!
そうだよなぁ!!!
俺達は、第2回目のプレイヤーだ! て、事は
お前らの先輩になる訳だ!
先輩は、後輩に優しくしないとダメだからな!」
サリー「……はぁ…………」
ミズキ「所で、あなた達は2人だけなの?」
ラノス「はい、そうですが……
今回、3回目のプレイヤー応募はカップル限定! だったもので……
必然的に、2人で冒険する事になりますが!
何か、不都合でもありますか?」
ミズキ「いえ、不都合と言うより……
2人だと、色々と大変じゃない。
戦闘の時は、多い方が楽だし!
冒険中だって……水魔法と火魔法は、無いと大変だし!
あなた達は、水と火魔法なの?」
ラノス「俺達は、魔法を2つずつ所有していますよ」
レッド「何ー!!! 2つずつだと!」
ゴウセル「珍しいな!」
ミズキ「今回のカップル限定て、事から
もしかしたら……
今回のプレイヤーは、皆んな魔法を2つ所有しているのかしら?」
ラノス「それは、無いですね。
この街に、来る前に我々と同じ第3回目のプレイヤーにステータスを見せてもらったのですが……
2人とも1属性でした。」
レッド「なら、お前達が特別か……
に、してもカップルで2属性とは、珍しい事もあったものだ!」
サリー「2属性って、珍しいのですか?」
レッド「ああ、俺たちも結構こっちの世界に居るが……会ったのは、お前達を含めて3人目だ!」
ミズキ「だから、2人でも問題ないのね。
なら、1人は……火と風で!
もう1人は、水と土属性かしら?」
ラノス「・・・分かるのですか?
間違ってますけど……」
ミズキ「えっ!? 違うの?」
サリー「私は、火と風ですが……」
ラノス「僕は、水と雷です」
ゴウセル「雷……また、珍しい!」
レッド「本当に、居たんだな! 雷属性」
サリー「雷も珍しいのですか?」
ミズキ「雷属性の人には、あった事も聞いた事も無いわ!」
レッド「もしかしたら……
お前1人かも、知れねーな。
だが!俺には、関係ない!!!
俺は、燃える様な熱い男! 炎属性さえあれば、問題ない!!!」
サリー「……はぁ…………」
ミズキ「ねぇ……あなた達! 私達とパーティーを組まない!!!」
ラノス「……いいですけど…………。
サリーは、どう?」
サリー「私も、いいわよ!
初めての土地で、不安はあるし。
人が多い方が、何かと安全だからね」
確かに、そうだ! 俺達は、死んだばかり……
新しい土地で、初めてのモンスターと戦う!
経験者が、いた方が安全に違いない!
ミズキ「やったー! なら決まり!
私、雷魔法! 一度、見てみたかったんだ!!!」
そして、俺達はレッド達とパーティーを組む事に……行動を共にする事となった。
レッド「じゃー! 早速、行くか!!!」
ラノス「えっ! もお?
まぁ、別に良いですけど………」
このパーティーのリーダーは、レッドだ!
とりあえず、レッドの決めた事に従う………。
異世界創設。2035年! 人類の新たな世界。『バーチャル世界だと思っていたら現実世界だった件』 国語力 レー点 @kokugo0
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