第7話 王
テイシャからは団長と、アイリスからは王と紹介された全身鎧の人物にどう接したらいいのか対応に困っていた。
「私はアルマス・マージ、騎士団の団長とこの国の王をやらせてもらってるよ。君は誰かな?」
アルマスは団長と王の両方の肩書がある割には鎧からは若い男性の声がした。
「アオイです。アイリス…様と一緒に冒険者をやっています」
軽い肩書を名乗ったらアイリスから胡乱な目で見られた。
「そうか、アイリス様と。これからもアイリス様をよろしく頼むよ」
アルマスはアイリスのことを敬称で呼んだ。僕の頭の相関図ではアルマスがアイリスのことを敬称で呼ぶことに違和感を感じていた。若い男性なのだから父親は無いだろうが、兄妹でもないのだろうか?
「おい、どうした?皆で固まって。今この城はゴーレムに襲われてるはずでは?それとも、もう片が付いたのか?」
背後から声をかけられて振り返ると紫色の髪をした中年男性が不満そうな顔でこちらに近いてきた。
「ジャーマル殿ご無事で何よりです」
そう言いアルマスはジャーマルという男に対して一礼をした。
「よせ、仮にも一国の王が簡単に人様に頭を下げるなと何度も言ってるだろう」
「王としてではなく、私個人として貴方に敬意を表してるだけです」
「相変わらずだな。所でその部外者は誰だ?」
「彼はアイリス様の同業者で、城の危機に駆け付けてくれた勇気ある御方です」
「部外者みたいなのもんじゃないのか?」
アルマスは僕の事を過大評価してくれたがジャーマルは当然の反応をした。
「ジャーマル殿、アイリス様にご友人ができたのですよ?ここは寛大なご配慮を」
「友人でも同業者仲間でもないと思いますが」
アルマスの提案をアイリスはバッサリと切り捨てた。
「まあいい、今は部外者に構っている暇がない程の緊急事態だ。やることは沢山あるんだ。アイリス、しばらくは城の外に出るな。お前の連れはお前が相手していろ」
「…分かりました。お父様」
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