第3話 ファウス王国

 テイシャと一緒にファウス王国に着いた。ファウス王国は周囲を2M以上の塀で囲まれており、都市と呼ばれるような広さに人々が沢山集まって暮らしてるような国だった。


「君のような行く当ての無い人がこの国で手に職を就ける方法は大きく分けて3つ。自分で仕事を作る、冒険者になる、私みたいに兵士になる。無難なのは兵士だけど凄い大変。だから君みたいな人たちは自分で仕事を作ってる事が多いよ。これから役所にこの国に住めるようになるための手続きをしてもらうけど、その役所に君みたいな人がいて、その人のおかげで役所が前よりも便利な所になったんだよね。もしかしたら同じ世界の人同士のよしみで役所で働かせて貰うように口を利いたら仕事を貰えるかもしれないね。どうする?」

「まずは手続きをする、その後で役所で働かせて貰えないかお願いをする、かな。」


 僕とテイシャは街を30分ほど歩きながらその役所に着いた。テイシャが受付で諸々の説明をしてくれて僕は手続きをする為の部屋と思われる別室に案内された。


「オー!同じ世界からきたひとというのは日本人デスカ!私の名前はジェーム!よろしくネ!あっ嫌な顔しないで!」


 勝手に同郷の人と会えると期待していた僕はわざとエセ日本語で自己紹介をした外国人に嫌な顔を隠さなかった。

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