第2話  フント村

 体感で30分ほどだろうか、赤髪の女性が女性が教えてくれ道を歩いていくと目に見える範囲に村らしきものが見えてきた。

 村に入るとほとんどの人の髪の色が茶髪の村人たちがいた。

 村の人たちは僕に気づいた様だが話しかけてこようとしない。むしろ避けられているような気さえする。

 勇気をかけて村の人にファウス王国の行き方について聞こうかと村の仲を散策しながら悩んでいると、ふと目の端に緑色の髪をした軽装の女兵士らしき人が見えた。

 避けられてる村の人に声をかけるよりも兵士に聞いた方がいいと思い、僕は緑色の髪をした女兵士に近づいた。


「すいません、ファウス王国の行き方を教えて欲しいんですが」

「それなら一緒に着いてくるといいよ。私はファウス王国の兵士だからね」

「あっそうなんですか、ちなみにいつファウス王国に行きますか?」

「君がいいならいつでも行けるよ、もう用事は済んだし」


 さっそく僕と緑色の髪をした女兵士はフント村を出発してファウス王国に向かった。

 ファウス王国までは歩いて1時間ほどらしい。


「君もしかして別の世界から来た人?」

「そうなんです、どうして分かったんですか?」

「髪の色かな、後は行く当ての無さそうな感じ」

「もしかして僕みたいな人って珍しくないんですか?」

「珍しいよ、でもたまに君みたいな人が来るんだよね」

「僕のような人や僕の元いた世界について詳しく知ってたりするんですか?」

「向こうの世界で事故や病気で若くして死んだ人がこっちの世界に来るってことくらいかな、あとは知らない」

「そうですか」

「私にできることと言ったら君みたいな行く当ての無い人に手に職を付けさせることくらいかな。ちなみに君の名前は?私はテイシャ、よろしく」

「アオイです。よろしくお願いします」


 ファウス王国に向かいながらテイシャさんと話をしていた僕は、別世界に来てから行く当てのなかった事を考えると現実世界で死んだこと以外は幸運が続いてると思った。

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