第3話 地震

 琴奈さんの気持ちが変わった。


「避難場所を考えなきゃ。あとは、放送とかテレビで流す」


 避難場所は僕たちの小学校、中学校にした。


「市役所の放送を使う?でもさ、僕たち子供のことなんか信じてくれないでしょ。大人だって信じない人がいると思うし…」


僕はどうしようかと悩んだ。


「大丈夫。お母さんとかに協力してもらうよ。大人だって信じてもらえるように、私が予測すれば」


琴奈さんの家に行き、お母さんを説得させて、市役所に行く。


「いきなりすみませんが、放送をしてもらえませんか?明日の朝7時に大地震が起こるんです」


 お母さんは真剣に話す。


「えっ?本当ですか?でも、なんでそんなに正確に分かるんですか?」


市長はあまり信じてなかった。


「この子です。この子が言ったことは絶対に外れないんです」


 お母さんは琴奈さんを市長の前に行かせ

た。


「いたずらかもしれませんよ」


 市長は信じてくれてない。


「どうする?」


僕は琴奈さんに小さな声で言う。


「大丈夫」


琴奈さんはニコッとする。


「今、雨降ってますよね。もうそろそろやみますよ。あと、市長さん、昨日の夜、プリンを沢山食べて、お腹を壊しましたよね」


 市長の顔が赤くなる。


「本当に予測できるんだな。恥ずかしいから、これ以上は言わないで」


 市長はやっと信じてくれて、放送をしてもらった。テレビ局にも協力してもらい、放送とテレビで流した。


ドカーン



 地震が起こる。全員が避難所にいたおかげで、怪我人も死亡した人も誰一人いなかった。

 後日、琴奈さんは市長から表彰状を渡された。近所の人からもたくさんのお菓子を貰ったりしていて、琴奈さんは人気になっていた。僕たちはずっと、友達でいた。


         了




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

予測 夏木花菜 @3761

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ