第2話 予測

 僕は、琴奈さんと友達になり、たくさん遊んでいた。僕は今、10歳で小学4年生だ。琴奈さんは12歳で小学6年生。今も琴奈さんとの仲は続いている。

 今日は久しぶりに遊ぶ約束をしている。僕が公園に行くと、琴奈さんは、暗い顔をして、ベンチに座っていた。


「どうしたんですか?」


 僕は心配だった。


「海希君、あのね、私、予測ができるの」


 琴奈さんは一単語を区切りながら言っていた。琴奈さんの言っていることはあまり、理解が、出来なかった。


「どういうことですか?」


「海希君、傘持ってきた?雨降るからさ」


 突然言われてビックリした。空を見上げても、快晴で雨が降るような天気ではなかった。


「晴れてますよ。それに、天気予報でも、降水確率10パーセントでしたよ」


 僕がそう言うと、ポツンと僕の手に水が垂れた。本当に雨が降ってきた。どんどんと降ってくる。僕たちは屋根のある場所に雨宿りをした。


「ほらね、私は、色んな予測をすることができるの。ずっと、言おうかどうか、悩んでた。お母さん以外に言ってないの。私の友達は海希君くらいしかいないから。でも、海希と会った時はまだ小さかったから言っても意味分からないかなって思って、今日、思い切って言うことにしたの」


「いいじゃないですか。予測して困ることなんてないじゃないですか。どちらかといえば便利じゃないですか?」


 便利でいいなーと、思った。


「でもね、明日の朝7時、大地震が起きるの。多くの人が死んじゃうの」


 琴奈さんは悲しそうに言う。


「えっ?どうすれば」


 まさか、そんなことが明日の朝に起こるなんて、考えもしなかった。


「どうしようもないんだよ」


 琴奈さんは少し泣きそうだった。


「一緒に変えましょうよ」


「でも、この予測は99パーセント外れないんだよ」


 琴奈さんは僕を見て言う。


「でもまだ、1パーセントの確率が残っています。絶対は絶対にないんですから。僕たちで変えて見せましょうよ」


僕は琴奈さんを見る。


「でも…」


琴奈さんは不安そうだった。


「僕は琴奈さんに助けてもらった。だから、次は僕が絶対に琴奈さんにお礼をしなきゃいけないんです」


「うん。分かったよ。私も変えてみせる。まずは作戦を考えよう」



 



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