予測

夏木花菜

第1話 迷子

 今日は暇だったのでお母さんと、公園に行った。この公園は少なくとも、一週間に2,3回は行っている。


 僕がブランコに乗っていると、お母さんはカバンを見て、


「お母さん、買い物行って来るからここで待っててね」


 お母さんはそう言うと公園を出る。


「僕も行く」


 僕はブランコから降りて、お母さんを追おうとしたけど、もう、お母さんの姿は見えなくなっていた。僕はこの近くのスーパに行こうとしたけど、分からない場所に来てしまった。


 僕は、その場に座って泣いた。


「大丈夫?」


 誰かが声をかけてくれた。目を開けると、僕よりも少し大きい女の人だった。


「どうしたの?」


 女の人は優しく声をかけてくれた。


「道が分からないの」


 僕が泣きながら言う。


「じゃあ、一緒にさがそう。きっと、お母さんが心配してるよ」


 女の人は心配してくれた。


「いいの?」


「もちろんだよ。名前は?私は琴奈ことなよろしく」


 琴奈というお姉さんと一緒に歩いてさがした。


「僕、海希かいき5歳」


「私は7歳。海希君の2つ上だね」


 そう話しながら歩いていると


「お母さんを最後見たのはどこか分かる?」


「公園。遊んでいて、お母さんが買い物行ってくるって言ったの。僕も一緒に行きたくて、分かんない場所に来ちゃって怖かった」


 僕はまた泣きそうになった。


「この近くの公園は坂立さかりつだけどそこかな?」


「多分そう。お母さんが、坂何とかって言ってたから」


僕は琴奈さんと坂立公園に行く。


「海希君は、公園で何の遊具が好き?」


「ブランコ」


そんな話をしながら歩いていると坂立公園に着いた。


「海希ー、海希ー、どこ?」


お母さんだ。お母さんが僕の名前を呼んでいる。僕は、お母さんのところに走って行く。そして、お母さんに抱きつく。


「海希、どこ行ってたのよ。ここから離れちゃだめって言ったでしょ。心配したんだから」


お母さんは怒っているようで少し、安心している様子だった。


「ごめんなさい。でも、この琴奈さんが一緒に見つけてくれたんだ」


お母さんは琴奈さんを見て礼をする。


「ありがとう。海希を見つけてくれて本当にありがとう。何かお礼は」


「大丈夫です」


琴奈さんは遠慮していた。


「琴奈さんと一緒に遊びたい」


僕は琴奈さんを見る。


「海希、見つけてくれたんだから、ちゃんとありがとうを言いなさい」


お母さんは少し怒っていた。


「ありがとう」


「どういたしまして。海希君、一緒に遊ぼっか」


「いいの?海希を見つけてくれたうえに一緒に遊んでくれるなんて」


お母さんは、申し訳なさそうに言う。


「私も暇ですし、遊んだりすること好きですから」


僕は、琴奈さんとたくさん遊んだ。














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