※第8話
「まじで...?」
顔の半分に白い液体を垂らしたタカは、驚愕し目を見開くリーダーとバッチリ視線が合った状態でそう問いかけた。
「あ...、えっと...。ご、ごめん......!」
リーダーはタカの1度目のフェラでイってしまったのだ。不甲斐なさに眉は垂れ下がり心底落ち込んでいる様子だった。
しかしタカの顔が自分の精液で汚れていることに気づき、慌てて態勢を起こしてシャツの裾でそれを拭き取った。
「ごめん...、きもち よくて......」
拭き終わった後、タカは申し訳なさそうにするリーダーの頭に手を置いた。
「いいよ。 お疲れさん」
その言葉にリーダーは首を傾げた。そしてタカの下半身に目を見やる。そこはスラックス越しでも分かるほど大きく膨らんでいた。
「次はタカの番...」
「俺はいい」
そう言って唇に軽いキスをすると、「んっ」と小さく甘い声を漏らすリーダーに思わず笑みが溢れる。
タカはこれ以上リーダーに負担をかけたくないと思っていた。
プロデューサーの女は"自由にしていい"と言っていた。つまり終わりどころの指定もないということだ。だからタカは最初からここまでで切り上げるつもりでいた。
しかしそんな考えとは裏腹に、リーダーはタカのスラックスに手をかけなんとか下げようとする。
「タカも...!」
「兎本、もう終わりだ」
リーダーの手を制止すれば駄々っ子のように首を振り、体を寄せてきたかと思えば、ついには泣きだしてしまった。
「お願い...」
「どうした」
タカにはリーダーの涙の訳が分からなかった。一回り小さい背中を撫でながら落ち着くのを待つ。
少しして呼吸が整ったリーダーは、ぽつりぽつりと話し始めた。
リーダーは毎晩悪夢を見ていた。局のプロデューサーやディレクターの男に襲われる夢。
実体験が元となるものだからか、目が覚めてもその感覚が生々しく残っていて、毎朝嘔吐していた。辛くて。苦しくて。どうにかしたい。 だから......、
「俺の記憶を全部、タカで塗り替えて...?」
タカの体に回された腕に力がこもる。
「お願い。俺のわがまま聞いてほしい...」
タカは一つ息を吐いて、「わかった」と答えた。
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