※第6話 


「よく来たわね。 さ、入って」


ニコッと微笑んだ女は、挨拶もほどほどに2人を中へ招き入れた。

「最高にロマンチックでしょ?」と言う言葉の通り、夜の街を見下ろせる一面ガラス張りの部屋には、キングサイズのベットが置かれていた。さすがは大物プロデューサーと言ったところだ。


続けて女は、自分はここに座っているだけと言って、ベットから少し離れた位置にある椅子に腰掛けた。足を組み2人のタイミングを待っている。





タカはベットの縁に座り固まっているリーダーの前に立った。


「早くあがれ」


「やっぱり嫌だ...」


そう言ったリーダーにいつもの陽気な笑顔はなく、声は上擦り震えていた。今も浅くて早い呼吸しか出来ておらず、とてつもない緊張とストレスを感じていることはタカにも伝わっていた。



「今更なに言ってる」


「タカは大切なメンバーだから...」


「それはお前も同じだろ」


リーダーの目から溢れ出した涙を拭うタカの手つきは、とても優しいものだった。


「泣く暇があったらこれからのことに集中しろ」


そう言ってリーダーの背中と膝裏に腕を通し横抱きして持ち上げた。


「ッ!! タカ...! おろして!!」


リーダーは抵抗しようと体をよじるが、落ちるのが怖いのか、タカの服を控えめに握った。

タカはそんなこと気にも留めず、そのままベットに上がった。頭が枕の位置にくるよう下ろし、リーダーが起き上がる前に上に覆い被さる。



「ゆっくりでいい、大きく呼吸しろ。 息吸って...、吐いて...」


過呼吸のような状態が続き何より呼吸が苦しいリーダーは、逃げることよりもタカに言われたことを必死に実行しようとした。しかしなかなか上手くできない。

タカはリーダーが落ち着くまで待った。


「ゆっくりでいい」


そう何度も言って頭や頬を撫でていれば、少しだけ困り笑いを見せる余裕も出てきた。



「ありがと...」


「いいよ。 もう嫌とか言わないな?」


呼吸が整ったところで念を押してそう問いかければ、リーダーはかなり時間を空けてから小さく「うん」と答えた。

泣いたからだろうが、頬と鼻先がまだ赤い。顔は横を向いているが、様子を伺うように潤んだ目でタカを見る姿は小動物の、まるでウサギのようだった。


タカは自分の目の前に晒されたリーダーの耳に顔を寄せた。すると、そこにただ吐息が当たっただけだと言うのにリーダーの体が小さく反応した。


(耳弱いのか...)


タカは"良いことを知った"とばかりに口角を上げ、耳たぶを口に含んだ。柔らかいそれを舌で遊ぶ。耳介の外周に舌を這わせれば、口を閉じて必死に我慢しているリーダーから小さく声が漏れた。

耳に意識がいって十分に感度が高まったところで、穴に舌先をねじ込む。リーダーはあまりに突然の刺激に体をよじらせ甘い声を上げた。


いやだやめてと逃げようにも上はタカに、横は枕に阻まれそれも出来ない。

自分の首筋に添えられたタカの手を掴んで引き剥がそうとするも、全く動かない。もがけばもがくほど舌の動きは激しくなり、まるで大人しくしてろと言っているようだった。


タカの手はリーダーの首を離れ徐々に下へと下がっていく。シャツ越しに胸を弄っていると、指先が中心部に触れた瞬間リーダーの体がビクンッと反応した。


「感度良すぎだろ」


グチュッと生々しい音を立て耳から離れたタカは、面白がるようにそう言った。

リーダーは恥ずかしさのあまり潤いを保った目で睨みつけたが、タカは気にすることなく首筋に軽く噛むようなキスをしていく。

その間も手は胸を這い、シャツを着てても分かるほど硬くなった膨らみを指で摘んだ途端、リーダーは大きく身悶えた。


「どうしようもないな」


タカがそう挑発的に笑ったことでリーダーの羞恥バロメーターは跳ね上がり、次は絶対に声が漏れないよう身近にあった枕を引き寄せ強く咥えた。


タカは"それで何か変わるのか?"と思いながら、シャツを胸元まで捲り上げた。すると案の定、服の裾が少し乳頭に触れただけで吐息のような声を漏らす。リーダーは意図せず出てしまう自分の声に困惑した。そして羞恥に満ちた表情は、タカを煽るものでしかなかった。


固くなった胸の先を唾液で滑りを良くした指先でこねる。反対側は吸って口内を真空状態にし、舌先で激しく何度も弾いた。

顔を離せば、口の形に赤くなりテカテカと濡れて大きくなった胸はなんとも艶かしく、そんなリーダーの姿を見てタカは自分の下半身に熱が集まるのを感じた。



枕越しのくぐもったものではなくクリアな声が聞きたいと思ったタカは、枕を噛むリーダーの歯と歯の間に親指をねじ込んだ。

口を半開きにされたリーダーの声は、遮るものを失いダイレクトに部屋に響く。


リーダーはすっかり性感帯になっている胸への快感に段々と抗うことができなくなっていく。咥えさせられたタカの指に舌を絡ませ、クチュクチュッと卑猥な水音をたてて舐める。タカはその反応を見て口角を上げ、それに応えるようさらに胸を貪った。


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