第27話 星嵐再起その2

唇の隙間をそろりと舐めてまりあの反応を窺った虎島が、顎下を擽りながら舌を潜り込ませてくる。


そんなことされずとも素直に口を開けてしまえるくらい、今のまりあは蕩けていた。


吐息を絡ませて唇が重なる。


ご機嫌伺いをする暇なくざらついた表面を舐められて、思わず背中を浮かせた。


まりあの反応に気を良くした虎島が、シーツと背中の隙間に腕を差し込んでくる。


そのまま背筋を辿って項を撫でられた。


口内に潜り込んできた肉厚な舌は、触れて欲しくて待ちかねているまりあの小さなそれを絡め取って甘く吸う。


舌裏も頬裏もまんべんなく舐められて、そのたび唾液を飲み下して嬌声を一緒に飲み込む。


歯列を撫でたそれが上顎を軽く扱いてきて、彼の肩に手を伸ばした。


あやすように何度もそうされると、開いた膝からどんどん力が抜けていく。


内ももが震えて、無意識のうちに揺らしている腰を大きな手のひらが優しく撫でた。


「・・・そんな気持ちいいか」


唇の粘膜をちゅうっと吸った彼が、肩を撫でた指で柔らかい胸のふくらみをそっとなぞる。


少しだけ力を込めて指を沈められると、放置されたままの胸の先が甘く疼いた。


「んぅ・・・っ・・・」


ブラの内側で興奮して凝ったそれを、かきだすように強く刺激されて、指先から与えられる愛撫に思考が見る間に濁っていく。


衣服の上から押し込んだり弾いたりして、時折腰のラインを撫でながら気まぐれに唇を塞がれる。


「っふ・・・ぁ・・・っン・・・ん」


直接触れられたわけでは無いのに、弾けてしまいそうな心地よさがいつまでもなくならない。


もどかしい熱は腰の奥に溜まっていく一方だ。


踵を浮かせて必死に堪えるまりあを見下ろした虎島が、膝頭を足の隙間に擦りつけて来た。


濡れたその場所をグリグリと刺激されて、ショーツの奥で膨らんだ花芽を擦り上げられる。


「っんん~~・・・・・・っっ」


胸の先を押し込まれながら一緒にされて、パチパチと熱が爆ぜた。


頭の中が真っ白になって何もない世界に放り出される。


内ももと腰の奥が戦慄いて、溢れた蜜が足の隙間を濡らした。


「・・・は・・・っ・・・ぁ・・・」


息の仕方も忘れてしまいそうな快感に溺れてきつく目を閉じる。


身体を冒していた熱がいくらか抜けていって、呼吸がしやすくなる。


それでもまだ指先は動かせない。


瞼の裏が暗くなって、薄っすらと目を開けたら、情欲を滾らせた彼がこちらを見下ろしていた。


「・・・もういい?それとも、もっと?」


優しく肩を撫でられて、敏感なままの肌が一気に粟立つ。


「ぁ、ゃ・・・って・・・」


今触れられるとそれだけで浅く上り詰めてしまいそうだ。


必死に身を捩れば、逃がすまいとシーツに手を突いた虎島が覆い被さって来た。


首筋に頬を埋めた彼が、まりあの香りを吸い込む。


「・・・・・・足りないなら、満足するまでしてやるけど」


こめかみにキスが落ちて、耳たぶまでラインを描くように舐められる。


未だに呼吸の整わない唇を二度三度と軽やかに啄んで、項の汗をぬぐう手のひらはどこまでも優しい。


じくじく疼いたままの腰の奥が、まだ足りないと訴えてくる。


欲しいのは指先か、それとも別の何かか。


通せんぼする腕に額を擦りつけたら、視界の端に彼の身体が入った。


遠目にも分かるくらい反応しているそれに、慌てて視線を逸らす。


オメガのまりあでさえこうなのだから、アルファの虎島がそうならないわけが無いのだ。


スラックスを押し上げる凶暴な熱は、オメガの身体を欲しているのだろう。


「・・・・・・で・・・も・・・・・・あの・・・」


「・・・・・・・・・俺のことはいい。耐えるのは慣れてる。中途半端なままだと、寝れねぇだろ」


掬った足の隙間をさっきよりも大きく広げながら、虎島がそうっと内ももを撫でて来た。


溢れた蜜が伝う痕を指で辿って膝裏を擽ってくる。


おもむろに顔を伏せる彼が、そこをどうしようとしているのか気づいた時には、もう遅かった。


濡れそぼったショーツを引っかけた指で足首まで引き下ろしてから、虎島がそこを広げて甘く囁く。


「これ好きか?」


ぺろりと味見するように舐められて、その瞬間火花が散った。


「ぁ、ぁ・・・っ~~っ」


爪先を丸めて身体を震わせるまりあの反応に、満足げに虎島が口角を持ち上げた。


彼の唇が濡れている理由に気づいて、泣きそうになる。


逃げられないように腰を抱えた彼のざらついた舌が膨らんだ花芽を掠めて、ひくつく蜜口をくるりとなぞった。


迎え入れようと戦慄くそこをちょんと突かれて、また浅く上り詰める。


溢れる蜜を確かめた彼がその場所からこちらを見上げて来た。


「ん・・・・・・死ぬほど悦くしてやるよ」


甘やかな責め苦は、まりあが意識を手放すまで続いた。

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