第6話

白鳥と弟妹の初対面シーン、プレイバック。

「では、さっさと行きましょう」

「おいっ、自己紹介くらいしろよ。勝手にサッサと行くんじゃねえ……って、グリーン車⁉」

「お兄ちゃん、あのキレイなお姉さん、だあれ~?」

「えーっと、白鳥。白鳥美和子。おれの……同級生」

「兄ちゃんの彼女~?」

「違う。ええっと……、同級生」


 その後すぐに、おれが白鳥の下僕だとバレる訳だが。

 ていうか、白鳥の自己紹介したのおれじゃん。

「ろくにじゃなくて、全く話してねえよ」

「やっぱりなぁ。……ほな、自己紹介や、美和子。ちゃんと自分で言いや」

 妹の世話を焼く兄のようだ。同い年って分かってはいるけども。

「……白鳥美和子よ。あなたたちの兄の御主人様で薫の従兄妹。職業は白魔導師。心の中で敬ってくれるのは問題ないけれど、あまり馴れ馴れしくはしないで頂戴」

 最悪だ。自己紹介って仲良くなるためにするものだろ、普通は。

「相変わらずやね、美和子は。……まぁ、このお姉ちゃんとも仲良うしたってな。本当は優しい子なんや」

「本当に優しい人なの?」

「ホンマやで。笑った顔なんて天使やで~。あっ、昔の写真あるけど、見るか?」

 白鳥が薫を氷の様な視線で睨み付ける。

「そんなに睨まんといてぇな。可愛い顔が台無しやで」

 本当、黙ってれば美人なのに。残念過ぎる。

「あっ、バス来たで~」

 昔の白鳥ってどんなだろうかと思いながら、おれ達はバスに乗り込んだ。

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