ついたよ!

蒼:「ついたよ!行こう」


思い出す事はなく、ついてしまった。


理一:「あの、さっきのシャツの話」


蒼:「忘れてるなら、気にしないで!今度見せたら思い出すかもだろ?」


理一:「うん。そうだね」


記憶は、ほとんどが僕だから…。思い出せるかわからない。僕は、蒼に引っ張られて歩いて行く。改札を抜けて、少し歩くと見るからにお城って建物が現れた。


蒼:「結婚式は、みんなここなんだ!一番大きいから!って、説明しなくてもわかるよね。ごめん、ごめん」


理一:「ううん。凄い!凄いよ」


蒼:「お城見たいだよなー。物語に出てくるの!ほら、王子様が出てくるやつ」


理一:「うん」


蒼は、どんどん僕の手を引いていく。中も素敵だ。


蒼:「明日は、このステンドグラスの教会で式をあげるんだよ」


そう言って、蒼は指をさしてる。


理一:「楽しみだね」


蒼:「そうだね」


店員さんが、現れた。


店員:「お待たせしました。こちらです」


蒼:「俺は、待ってるよ」


理一:「うん」


僕は、蒼と別れて店員さんについていく。


店員:「こちらです」


そう言われて入った部屋には、ウェディングドレスがあった。


店員:「プリンセスラインで、サテンとソフトチュールで、バックは半編み上げになります。袖口もレースの七分袖になっていまして…。オーダーいただいた通りのお品です。こちらですが?」


店員さんは、そう言って僕にタブレットを見せる。僕が、試着をしてるのがわかる。


店員:「サイズを直しまして、本日届きました」


そう言ってニコニコ笑っている。


理一:「わかりました」


店員:「最後の試着をしましょうか?」


理一:「はい」


僕がこんな素敵なウエディングドレスを着るなんて…。店員さんは、「少々お待ち下さい」と言っていったん外に出て行った。店員さんじゃなくて、ウエディングプランナーさんか!


店員:「お待たせしました!試着しましょうか」


そう言われて振り返るともう一人いた。僕は、二人の店員さんにウエディングドレスを着せて貰った。


理一:「凄いです」


店員:「ピッタリですね」


理一:「はい」


店員:「明日のお式が楽しみですね」


理一:「はい」


鏡に映った自分の姿に、僕は泣いていた。こんなドレスを着れるなんて思わなかった。


店員:「本番は明日ですよ」


理一:「すみません」


店員:「いえいえ」


一緒に頑張って来たのだろう。店員さんも泣いていた。僕は、ドレスを脱がせてもらった。


店員:「明日、楽しみですね」


理一:「はい」


僕は、部屋から出た。

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