思い出した
忘れる所だった!僕は、この世界で田宮海花を探すんだった!
蒼が完全に見えなくなったのを確認して僕は、家に入った。
母:「ただいまって言わないからビックリしたじゃない」
母さんは、向こうと変わらない人だった。
理一:「ごめんなさい。あっ、母さん」
母:「母さんって、大人ぶってるの?いつもは、ママなのに…。結婚が決まると変わるのねー」
そう言いながらニコニコしている。よかった!別人と思われなくて…。
理一:「ママ、あのね」
母:「何?」
理一:「田宮海花さんって知ってる?」
僕の言葉に母さんは、何かを思い出すように顎を擦り出した。
母:「あー!お花屋さんの田宮さんね!真っ直ぐ行って右手にある。FLOWERLily《フラワーリリー》のオーナーの奥さんよ」
理一:「ありがとう!ちょっと出掛けてくる」
母:「ブーケそこにするの?」
理一:「そうね!見てから決めるわ」
母:「そう、行ってらっしゃい!気をつけてね」
理一:「行ってきます」
何の疑いも持たれずに、田宮さんの元に行けて助かった。僕は、母親から聞いた場所を探す。
この世界は、不思議だ。全ての景色の色が作り物のように鮮やかで綺麗だ。映画やドラマの映像のようだ。
僕は、FLOWERLilyを見つけた。
田宮海花:「無事に来れたのね」
店の前にいた女の人が、そう言って笑った。
理一:「あの公園のおじさん?」
田宮:「そうよ!私は、この世界では、田宮海花って言うの。
そう言われて、僕は店に入る。田宮さんは、(ご用の方は…)って書かれたプレートを下げた。
理一:「お邪魔します」
田宮:「座って!今、珈琲いれるわ」
そう言って、田宮さんは珈琲メーカーから珈琲をカップにうつした。
田宮:「どうぞ」
理一:「ありがとうございます」
田宮:「お砂糖とミルク、いるなら使って」
そう言って、スティック状の砂糖とポーションのミルクを差し出される。
理一:「ありがとうございます」
僕は、砂糖を二本いれる。
田宮:「私は、雅人を愛していたの。あっちの世界で!」
理一:「僕と出会った場所ですか?」
田宮さんは、僕の言葉に頷いた。
理一:「田宮さんも男が好きだったんですか?」
田宮:「そうよ!彼の向こうでの名前は、
田宮さんは、そう言うと珈琲をゴクリと飲んだ。僕は、田宮さんの事を見つめる。田宮さんは、僕と目が合うとこう言った。
田宮:「君と同じで、私もゲイだったんだ。20年間、雅人に片想いしていた」
そう言って、涙を拭ってる。
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