第9話


また次の日、その次の日あたしは諭吉を手に勝負しに行った。

でも負け

負け

負け

負け


「パチンコが合わないのか!そうか今までスロットで勝ってたんだ!スロットに戻ろう」


負け

負け

負け


通帳は恐ろしいほどお金が減っていった。


「どうして?あたしはただ勝ちたいだけなのに」


仕事してる最中ぼーっと台を拭いてると月島さんに声をかけられた。


「涼宮さん大丈夫?上の空だけど!」


あたしは大丈夫ですと言い勝っている月島さんの傍を離れようとした。


「今日仕事終わったら時間ある?」


仕事が終わり近くのコンビニに寄った。

月島さんに呼ばれたからだ。


「涼宮さんあんまりムキに打たない方がいいよ!ギャンブルは誰にでも依存症になりやすいんだ。やればやるほど負けていく」


なんでいつも勝ってる月島さんに言われないと行けないんだ。


「月島さんはいいですよね、いつも勝ってるんだから」


なんかどんどん嫌な女になっていく。


「いつも勝ってるわけじゃないよ!負ける時だってあるし負け続けてるときもある!ギャンブルは適度に楽しく遊ぶものなんだ」


月島さんの言葉が頭に入らない。

こんな自分が嫌になる。

涙が出そうになった。


「今からでも遅くない。やめろとは言わないけど適度に遊びなよ!低貸しに行くとか」


うるさい、うるさいうるさい。


「あたしのお金なんだから好きに使っていいでしょ」  


それだけ言ってあたしは車に乗った。

月島さんだってあたしを心配してくれてる。

わかるんだけどどうしようもないんだよ。


心がどんどん乏しくなる。

ギャンブルをしていると嫌なことが忘れられる。

でも負けてイライラして本当に悪循環だ。

そしてあたしはまた店に向かってしまう。


しばらくすると月島さんはお店に遊びに来なくなった。

あたしがあんな言い方したから店変えたのかな?

気まずいもんね。

それから1年がたった。

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