第8話


「涼宮さん?どんな?」


駐車場に向かう途中月島さんに会った。


「あともう少しで当たるとは思うんですけど」


少し焦る様子であたしは答えた。


「あんま追いかけない方がいいよ!ダメなときは本当にダメだから!」


ダメなんじゃない。

きっと次こそは当たるんだ。

あたしは月島さんの忠告を受け流し車に乗った。

わかってる。

もしかしたら次も当たらないかも知れない。

でもでも取り戻したい。

そんなことを思いながらコンビニへ向かった。


「三万下ろした。これできっと当たる」


あたしはすぐさま店に戻り遊戯を開始する。

諭吉ちゃんと戻ってきてね。




「はぁ...」


努力も虚しく戦いは終わった。

待ってよ。六万?

信じられない。

いいリーチなら来た。

保留だって金だった。

90%の確率で当たるはずなのに。


「どうしてだよーー」



こうしてあたしは初めての負けを経験した。

自分への失望感とムキになってしまった自分の心の弱さ。

何時間働いたら六万手に入る?

今回は運がなかった。

そんなことでは片付けられない。

あたしは絶望した。

頭は痛いし諭吉はいなくなるし。


「次は今日の負け取り戻さないと」


そんなことを思いながら今日のところは帰った。

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