第2話


今日もあたしはドル箱を運ぶ。

お客様のお金を扱うようなものだ。

あたしはパチンコ店でバイトをしている。

一時間1400円だ。

高い時給を選んだはずなのに。


お使いを頼まれカウンターに行った。

お使いとは遊戯しているお客様に飲み物やタバコ等を頼まれカウンターに取りに行き届けることだ。


「えーっとブラックコーヒーっと」


あたしがカウンターの裏にある冷蔵庫からコーヒーを出そうとしているときに聞こえた。


「それでは大が40枚でございます。ありがとうございます」


カウンターの人がお客様にカードみたいなのを40枚渡していた。


20万円...。


バイトしてお金稼いでいるあたしがなんでただ遊んでいる人よりも少ないのだ。


あたしはお使いのコーヒーをお客様に渡した。


「ありがとう!えーっと涼宮さん」


あたしのネームプレートを見て笑顔でお礼を言ってくれた。

ただ仕事をこなしただけなのに。

でもお礼言われるのは悪くない。


「いえいえ!またいつでも呼んでくださいね」


あたしは笑顔で返した。


そんなこんなで仕事にも慣れ初めての給料日。

この日が世界で一番大好きだ。

銀行に行き通帳を見る。


「こんなに入ってる。嬉しい」


ニヤニヤしながら家に帰った。

仕事は大変だけど仲良くしてくれるお客様も増え頑張った分だけお金も増える。

また明日から頑張ろうと思える瞬間だった。

このときは。

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