第3話
初日のオープンから大分経ったがお客様は今もたくさんいる。
「あっ涼宮さんまたお使いいいかな?」
ホールをグルグルと回ってるところに突然話し掛けられた。
「月島さんいつもので大丈夫ですか?」
月島さんはあたしが初めてお使いをしたお客様だ。
「さすがわかってるね!よろしくお願い!」
月島さんからコーヒー分のメダルを貰いカードに入れる。
「そういえば涼宮さんもパチンコとかするの?」
よく聞かれることだ。
ここに来る人はみんなパチンコやスロットが大好きな人の集まり。
話す言葉は大体この話。
あたしはいつも通り答える。
「したことないですよ!それではコーヒーお持ちしますね!お待ちください」
あたしは頭を下げてカウンターへ行く。
「お待たせしました」
月島さんにコーヒーを渡した。
「いつもありがとう!さっきの続きだけどしたことないならしない方がいいよ」
これもよく聞く言葉だ。
みんな口を揃えて言う。
月島さんもそうだがみんないつも大量に玉やメダルを出している。
そしてあたしよりも稼いでいるのだ。
家に帰るといつもゴロゴロして過ごす。
やりたいことも楽しいこともない。
ただ諭吉が増えることだけがあたしの嬉しいこと。
ふと月島さんの言葉を思い出す。
「しない方がいいよ...か」
「いらっしゃいませー」
自分のお店以外のパチンコ店に入るのは初めてだ。
丁寧な挨拶。
眩しい笑顔。
あたしはスタッフに挨拶され自分も深々と挨拶を返した。
月島さんは確かこの台をいつも打ってたかな?
「あれ?涼宮さん?」
座ろうと思ってた台の横に月島さんがいた。
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