愛されたいのに愛していないのはあたしの方? ※これはギャンブルのお話しです

涼風凌一良

第1話


涼宮凛には趣味がない。

買い物が好きとか、アニメが好きとか、オシャレが好きとか恋愛話とか。

でもしいて言うなら


貯金かな。


欲しいものがあるわけでもない。

ただ高校生の時からバイトをし貯めたお金が記入されている通帳を見るのが大好きだ。


「もっとお金が欲しいな。時給の高いバイトでも探そうかな」


何気なくチラシを見ていると高時給のバイトが。


「パチンコ店」


入ったこともやったこともない。

ただ時給の高さに惹かれそっこうでチラシに書いてある番号に電話した。

面接は見事に合格。

オープニングスタッフとのことで一から教えて貰った。

見たことない煌びやかな店内。

たくさんの台がキレイに整列していてアニメに興味のないあたしでも知っているキャラクターの台があった。


オープン初日。

人が溢れかえるように店内にガガーっと人が入ってくる。


「走らないようにお願いします!」


「遊戯開始まで席でお待ちください」


たくさんのスタッフがいるのにそれより多いお客様を誘導し案内するのは大変だ。

それでも無事クラッカーとともに遊戯開始のアナウンスが流れた。


ジャラジャラ

キュインキュイン

ピンポーン

様々な音があたしの耳に流れ込む。

玉が、メダルがあたしの目に映り込む。


サンドと言う台の横に付いている機械に次々と諭吉が流れ込む。

一万、二万、三万...恐ろしいほどみんな躊躇なくサンドに入れ込む。

そしてそれは大量の玉やメダルとなり何倍もの諭吉が帰ってくる。


そう遊んでるのに諭吉が帰ってくるのだ。

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