事実は小説より奇なり
「"事実は小説より奇なり"って言うじゃん。あれって嘘だと思う」
「でも私は"事実は小説より喜なり"とは思うよ」
「それはなおさら納得行かない。君は普段どんな小説を読んでるのさ」
「君の小説」
嘘だろ、いつもあんなに喜んで読んでたのに。
「泣くぞ」
「だって、君の小説も大好きだけど、実際に君と話してるほうが好きだもん」
そういう彼女の頬は夕日に照らされ、橙色に染まっていた。
140字の小説 自由らいく @Raikdam
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