「ラジオ体操」におそわれた!

私はサボり魔だ。

すぐさまパンツを脱ぎ、そのままラジオ体操会場へと向かった。

褒められた。

きょうはアイドル曲に乗せるのではなく、ジャズに乗せてラジオ体操を踊るのだという。

イッチニーサンシー

飽きた。

私は川のほとりでハンサム人間を見ていた。

じつにくだらないドラマである。

ふと、遠くから音が聞こえてきた。

イッチニーサンシー

だんだんとうるさくなってくる。

いそいで川の中に沈んだ。

川の中にはさっき会場にいたはずのラジオ体操していた人たちがいた。

つかまってたまるか!

私はすぐさまバブル発生装置を駆動させた。

いっせいに川は泡だらけになった。

このまま逃げ切れるか…!?

川は逆流をはじめた。

ちっ。相手も強力なポンプで応戦しはじめたな。

流れに乗ってしまったらラジオ体操会場に戻される。しかし逆流したところでラジオ体操会場にいた人々につかまってしまう。

私が発生させたバブルによってあたりは全くみえない。

感覚を研ぎ澄ませて川の流れと垂直方向に向かってすすみ、どうにか川岸にたどりついた。

とおもったが、なぜかまだ川の流れにいる。

おかしい。たしかに私は川岸にタッチしたはずなのに。

再び川の流れと垂直に向かってすすみ、川岸に足かけた。

すると、なぜかまた川の中にいる。

そうこうしているうちにラジオ体操している人々に追いつかれ、私はラジオ体操会場へとつれていかれた。

いやだ。いやだいやだいやだいやだ!

私は全力で逃げた。

もう嫌だ、こんな世界はイヤだ!!

ラジオ体操会場の公園を出た。

しかし、公園反対側の入り口に戻ってしまった。

ああ、この世界はループ構造になっているのか。

おとなしくラジオ体操会場に戻ることにした。

私は意識をラジオ体操の音声に集中させ、見事ラジオ体操の音源となった。

私そのものがラジオ体操なのである。

これでラジオ体操から逃れることが出来た。

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