第486話 無理をしない よく見る

どうしても僻地で夫婦で子育てをしてきたこともあって、夫婦揃って無理をしがちになっている。

体調が下り坂だなと自覚があっても「少しぐらいなら」とか、病後に「体力が落ちているけれど、これくらいならリハビリにもなるし」とか、だんだんと年もとって回復力も落ちているくせに無理をしてしまう。


今回、私がコロナ後遺症という状態になっているのもそうで、大反省中。

ちまちまと薬を飲み、吸入薬も使って、家でじっとしている。


歩くスピードがどうも速すぎるから、行動後に咳き込むのだという説もあって、なるべくゆっくり歩くように気をつけている。

気をつけてはいるが、生来のスピードがあるから、一人になるとそのままだったり。

そして、「これはダメだ!」と思ったら咳き込んでしまって止まらない。


味覚と嗅覚も9割くらいは戻っているが、どうも何を食べても何か足りない気がしてしまう。

私の体調もあって、コロナ後は手の込んだ食事を用意できてはいない。

作業も味もシンプルなものばかり。

夫の胃腸の調子もあるから、肉を塊で感じるようなものが出せない。

ぎりぎりハンバーグくらい。


そうなってくると、主食であるご飯やパンの味が気になってくる。

ストック分のお米がなくなって買いに出たら、無洗米しか見つからなかった。

きちんと水に漬け置いて炊いているのに、もそもそぱさぱさ黄ばんで思ったような美味しさにならない。

幸か不幸か2キロだけなので、もう少しで食べ終わる。


何とかならないものなのかなあと、とぼけた頭で考える。


炊飯器に「無洗米モード」というものが存在していたことをここまですっかり忘れていた。

うちはずっと通常精米のお米だったから、その設定を変えていない。

それで甘く炊きあがるような設定になっている。


お米のせいでも炊飯器のせいでもなく、ただただ私がうっかりしていた。

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