第161話 おめでとう

WBC優勝!

期待はしつつもアメリカの強さにどうなることかとは思ったけれど、しっかりと結果を出してくれて本当に良かった。


ヌートバー選手のお母さんの言葉から、代表選手のお母さん方とネットワークがあることがわかって、そういうのも「そりゃ元野球少年たちだからそうだよね」と頷く。


同じチームのお母さんたちって基本的には仲がいい。

さすがに同じポジションを子どもたちが争っている場合は、探り合いがあるけれど。


監督並みに試合を見ているからお母さんたちも変に目が肥えてしまって、

「この場合はあの子を登板させた方が」

「今はこの子を代打に」

と裏でこそこそ言ってみたりしていて、監督もやりにくかったり。


代表クラスになると、選手起用についてはコーチもプロが揃っているからそんなことは言わず、お母さんたちはひたすら体調を気にかけたり、なんとかみんなケガせずプレーできるように祈ったりするくらいなのかな。


相手が学生なら食べ物や飲み物などを差し入れすることができるけれど、栄養とか厳しく管理しているプロだったら、そういうことはできないんだろうなあ。

選手が個々で判断して外食するのはよくても、誰かのお母さんが「これ食べて~」と気軽に何か持ってくるのはダメかもしれないね。

お昼に海鮮ランチ食べて炎上してた選手もいるくらいだから、やはり気を遣いそう。


うちの子が高校時代には、高校近くに用事がある時や練習試合の時なんかに差し入れをしたものだ。

近くでコロッケやミンチカツを買ってくるとか、うちで焼いたパウンドケーキを持っていくとか。

夏はアイスや冷たい飲み物がいいとダメ出しされたこともあったなあ。


そういう高校時代を過ごして、みんなあんな立派な選手になったんだろうなと、母目線でずっと見ていた。

なので、ちょっとしたことで泣く泣く。

頼むから不振でもそんなに攻めないでやってくれよと。


ユニフォームも練習着も毎日がんがん洗い、毎日腹ペコな子に大量のご飯を炊き、おかずを山盛り作り続ける。

そうやって支えられてきた子たちが、こうやって国際大会で輝いている。


野球少年たちも目を輝かせて見ていただろうけれど、それを支えているお母さんたちも、こんなふうに自分の子たちも夢をかなえてくれたらいいなと見つめていたんじゃないかな。


世界一になった日本代表選手たち、おめでとう。

そして、それを支えてきたご家族もおめでとう。









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