第141話 秘密の儀式

嫌なことがあった時、面倒な用事に向かっている時、気持ちが沈みがちだけれど私は車を運転しながら、こんなことを言っている。


「ばーか ばーか ばーか」


子どもっぽくて自分の方がバカであるが、すっきりする。


対向車の運転が荒くてムッとしかけたら、


「ばーか ばーか」

笑顔で口に出すのがポイント。

歌っているようにテンポよく。


まさか満面の笑みで悪口を言われているとは思わないから平気。


面倒な相手に会いに行くような用事の時は、即興で「ばかばかソング」を作って車の中で歌いまくる。


「ふりむきざまの嫌味がぬるい ばかばかばーか」みたいな。

田舎だから車の中は歌い放題よ。

信号待ちで少し歌うのを控えておけば大丈夫。


メタルで替え歌にして歌っていることもある。


「いちいちつまんないことで絡んでくるなあああああああ」とかシャウトする。


大きな声を出したり、歌ったりすると気分が晴れるというデータもあるから、一人で車に乗っている時にはオススメ。

歌い過ぎて喉が渇いたら、コンビニコーヒーを飲んで休憩。

最近はどこのコンビニのものも手ごろで美味しいから嬉しい。


5分や10分で到着する場所へ行く時は不完全燃焼になりがちだけれど、片道30分以上の場所なら大抵完全燃焼ですべて嫌なことが昇華できてしまう。


あまり本気でやり過ぎると到着時に声が枯れるので、そこは注意。

帰り道でスイーツなどを仕入れてくると、帰宅時にはゴキゲンになれる。

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