第126話 マスク
あともう少しでマスクをしなくても怒られなくはなるらしいが、花粉も飛んでいるし、風邪も貰ってきやすい人間だから、これまでのようにマスクはするつもりである。
外を歩くくらいならしないと思う。ほぼ誰にも出会わないから。
不織布のマスクが姿を消して、ドラッグストアの開店に合わせて人が並んでいた時期に、こんなことがあった。
自作のマスクを着用していた高齢女性に、知り合いらしい高齢女性が話しかけていた。
「あらー、いい柄のマスクねえ。自分でおつくりになったのね。」
「そうなのよー。家にある布でつくってみたの。」
「どんな風につくったのかしら?」
「気になる?こんな構造になっているのよ。」
今まで付けていたマスクを外して、手渡して見せていた。
その頃はまだ田舎の高齢者もワクチン接種が間に合ってない状態で、マスクだなんだ言っている前に、会釈してさっと家に帰った方が安全じゃないの?と見ていて心配になった。
ある意味、無邪気な人たちだけれど、無防備だなあと。
スーパーの入り口で立ち話を続けていて、私が買いものを終わって出てきても、まだ話が続いている様子であった。
私の年齢でも、未だに買い物は行く前に何を買うか決めておいて、最短で帰ってこられるように注意しているというのに、大胆なおばあさま方だった。
ということは、マスクの着用が個人の判断になるということで、なんとなく新型コロナウイルスも安全になったと間違った認識を持って、今まで以上に立ち話が増えそう。
今でも、スーパーのあちこちで立ち止まってご近所さんと話し込む高齢者は多い。
一番ワクチン接種の回数も多いからね。安心だと思ってしまうのかもしれない。
私は普段は自分で縫った布マスクで、観光客が多い場所へ行く時などは、不織布マスクを使うようにしている。
車の中に忘れた場合の為に、予備の不織布マスクを置いている。
こうやってマスクの需要が落ちてくると、またマスクの価格が戻ってくるのかな。
今の不織布マスクの値段は、新型コロナ禍前より高いから。
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