第93話 消防団って知ってます?

私は結婚してから初めて「消防団」というのを知った。

それもうちの地区は「婦人消防団」で、男性のはない。

消防用の車両も持ってはいない。


私が結婚してこちらに住むようになった時も、日中に地区にいるのは

高齢の方々と専業主婦数名くらいで、活動できる人が限られるから

そうなっているのかなと思ったが、本当のところはどうなのだろう。

元々男性の「消防団」というのが他の地区のように存在したのかも知らない。


消防署職員は公務員で、日々訓練に励んでいる人たちというのは

だいたいの人は知っている。

「消防団」というのはボランティアで、別に職業を持っているが

火事が起きたら消火作業にあたる。


当たり前のように入る意志も確認されずに、ヘルメットと割烹着と

長靴を渡されて、婦人消防団の会合に来るよう言われた。

役員をやるのはずっとこちらに住んでいる方々と決まっているようだったが

いつの間にか人数が減って高齢化が進み、そろそろあなたも役員を…と

なりかけた時に、人数確保が難しかったからか解団となった。


一応、言われるままに消火活動の練習もした記憶もあるが

実際に地区に存在する消火栓の場所を確認して、どうやればいいのか

練習した方が役に立つのになあと思っていた。

AEDの使い方とかも私は子どもの学校や自動車教習所でやったけれど

定期的に地域で講習会をしたらいいのに。



田舎は未だに喫煙率が高いのと、農作業後に野焼きもしていたりするので

火事も多い気がする。

消防署からは遠いから、早期消火の為に消防団が必要なのも納得している。

隣の地区で消防用の車両を点検しているのも見ているし、実際に火災が起きて

出動していくのも何度も見た。


早く消火できますようにと祈りながら車両を見送る。


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