第62話 短気だが短気でもなく
私はすぐ頭に血が上る方だと自覚している。
小学生の頃は、よく同級生の男子に「鬼ばばあ」的なことを
言われていた。
学級委員などをずっとしてきたこともあるが。
悪いことをする人間や非常識なことを言う人間など
学生時代で同級生であれば直接叱りつけたりすることもあった。
今風にいうなら、短気な正義厨っていうか。
縁もゆかりもない田舎に結婚してやってきて、それと同じことを
するかといえば、もうこちらも大人になっているし、同級生であれば
ある意味同じカテゴリーで連帯責任もあるような気がして
注意したり怒ったりもできたが、完全に繋がりもない他人は
基本どうでもいいと思っているから、呆れはすれ怒りはしない。
自分のエネルギーを消費するのも勿体ない。
実際、うちの子の名前をバカにする保護者がいたが、何事も起こさず。
キラキラバカネームな名前を我が子につけている保護者から
「なんでーそんな普通の読める名前をつけたのー。
流行ってわかってないのー?」と面と向かって言われたのだが
ただただ、こんなバカな人間がこの世に存在するんだ。バカを自覚せずに
こんなことをこんな風に言えてしまうんだということに呆れ驚き、
「きちんと読める名前をつけるもんでしょ」と返して微笑むにとどめた。
他の人もその時にはいて、空気が凍ったのにも気が付かなかったようで。
ちなみに、知識があればそのような読み方の名前をつけるのは憚られるという
そういうキラキラネームでありました。
夫に最近になってその件を話したら
「よくその時怒らなかったね。自分だったら何を口走るか…。」と言われた。
夫は短気である。その上、怒ったら相手をとことん追い詰めるほど、頭が切れるし、
容赦ないタイプだ。彼が同席していなくてよかった。
「バカな人が自分のバカさ加減が分からずに言うことだからね。
逆に哀れに思ったのよ。あっちはこっちをバカにしてるつもりだけど
普通の人からすれば、バカがバカを上塗りしてるのを見せられているだけよ。」
田舎に住むにあたって、免許がやっぱり必要だということで
学生時代に車の免許をとっていなかった私が、途中で渋々とることになって
なんとかストレートに教習所を出て免許を取ったときのこと。
うちの子の同級生のお母さんで、比較的それまで悪くはない付き合いだと
思ってきた人が
「あなたのような初心者にこのあたりを(車で)走ってほしくないわ!
危ないからやめなさいよ!」
といきなり言われたこともあって。
話の流れからも、なぜそこでそんなに激高するのかもわからず。
いやいや、必要だから免許取得して、なんで他人にそんなこといきなり
言われなくちゃならないのだと呆れ、
「乗り回すよ、車」と静かに答えた。
不注意で事故してばかりの人に言われたくないなと思ったのだった。
それはさすがの私もカチンときたので、安全運転に心がけ続けて
ゴールド免許を持つ人間になっている。
こっちの子たち、高校卒業前に教習所へ通って免許とって、家の車に
初心者マークつけて乗り回しているのに、そっちは危なくないとでも
いうのかよー、バーカと思っていました。
そのご本人も過去にそういう一人だったはずなのにね。
もちろん名前に文句つけた人も免許取得に文句つけた人も
今ではすっきり疎遠である。
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