第57話 6合

成長期で運動部に属する子どもが複数いれば、毎日のご飯の消費量も

かなりすごいことになる。


私自身は運動部ではなかったから、そんなにご飯を食べた記憶がなく

我が子たちが飲み物のようにご飯やおかずを口に流し込んでいくのに

衝撃を受けた。


毎日6合のご飯を炊き、4Lのお茶を作っていた。


それでも私の分のご飯がないということもあった。


運動部であると洗濯物も毎日大量になってくる。

それも帰ってきて出して、「明日もこれ持っていくから」と言われたら

いそいで洗濯をしてアイロンがけしなくてはならないのだ。


へとへとになって眠って、翌朝、お弁当用のご飯が足りないということに

気が付くこともしばしば。

冷凍チャーハンを常備してあったから、それをレンジでチンして入れる。


今の炊飯器を買う時に夫が

「絶対一升炊きにすべき」と言い、「そんなに炊かないよ」と私は返したのだが

結局夫が正解だった。


冷凍チャーハンのストックがなく、お米も切らしてしまった時は

夜にパンやベーグルを焼いた。


街に住んでいたら、ささっとコンビニに寄って、サンドイッチなんかを買って

持たせることができたのに。


私が具合が悪い時でもきっちり用意せなばならず。


ずっとご飯作りに追われていて、憑りつかれていたように思う。


今は夫婦二人暮らしだから、2合を炊いたらいつまでも残ってしまう。

炊飯器の中で黄色く硬くなっていくのが嫌で、炊いてすぐに冷凍に回すことにしたところだ。


作って冷やしておくお茶の量も1Lになってしまった。


それはそれで少し寂しいものだ。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る