第39話 帰省

新幹線や高速自動車道など、自宅を出てすぐ利用できる環境にないとなると

どこへ行くのも大仕事になる。


夫婦どちらの実家へも車で帰るというのがほとんどで

あまり電車を使わない。

時間と交通費がかかり過ぎるから。


子どもが小さいうちは、どちらの実家へも顔を出すようにしていた。


お盆は夏なのでいいとして、年末年始となると「寒波」がくれば

近い方の実家へも雪で帰れなくなった。


高速道は通行止め、やむなく下道を走るとスタッドレスタイヤを

履いていない車があちこちで走行不能になっていて大混雑。

途中で自宅へ引き返すということもあった。


子どもが受験生になり、入試の日がお正月明けにすぐということで

帰省をやめたらいろんなことがラクになった。


自分でお節を用意しなくてはならないというのはあるが

好きな時間まで好きなように起きていて、美味しい物も家族で

ゆっくりと会話しながら食べるというのは楽しい。


田舎で街から帰省してくる家族を受け入れる人たちは

やはり大変なのだそうだ。

準備と後片付け。滞在中のお世話。

気を遣うしお金も飛んでいくそう。


未婚の子が帰省するのはいいとして、家族持ちになったら

こういう習慣はやめにした方がいいんじゃないかなと思った。

どこも混むし、お互い気を遣うし。

帰りたい時に単独で連絡して帰ったらよくて、親族全員集合みたいな

地獄のような制度は要らないと思っている。

近隣に親族みんな集まって住んでいて、半日ほど宴会するくらいなら

納得なんだけれど。


環境変わると体調を崩しやすいし、この時期はインフルエンザや

ノロウイルスなんかも流行るからね。


出先で体調悪くなっても言い出しづらく、こっそり市販薬を買ってきて

飲もうと思ってもドラッグストアに行けなかったりするし。


近所でもこの時期見慣れない車がたくさん。

遠くから帰省してきているのはナンバーでわかる。


逆にいつか田舎から都市部へこの時期に旅行にでたら

すいていて楽しいかもしれないなと妄想している。

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